岡田晴恵教授 自民コロナ対策本部長に「専門家委員会の人の見解と政策が違うような気が…」

[ 2020年3月12日 14:38 ]

テレビ朝日の社屋
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 感染免疫学、公衆衛生学を専門とする白鴎大学教育学部の岡田晴恵教授が12日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜前8・00)に出演。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の政策などについて言及した。

 この日は、自民党の新型コロナウイルス対策本部長を務める元厚生労働相の田村憲久衆院議員もスタジオ出演。番組では、10日の参院予算委員会公聴会で、政府の専門家会議副座長で地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏が「これまで国内で確認された方のうち重症軽症にかかわらず約80%の人はほかの人に感染させていない」とし、一人がどれだけの人に2次感染させるかという実効再生産数について「日によって変動はあるが、おおむね1程度で推移している」と発言したと紹介。この実効再生産数が「1」より大きい場合は「感染が拡大する」、一方「1」より少ない場合は「感染が縮小する」、「1」の場合は「横ばいになる」とされている。

 岡田教授は、「これは日本人のデータだということなんですが、詳しい数値が示されておりません。それから最も気になるのは『おおむね1で推移している』ということは、広がらないっていうことになります」と指摘。そして「そうすると、この再生産数ですと、これほど強い対策が必要なのかどうかってことになると思うんです」とし、田村氏に「これって政策に影響する専門家委員会の人の見解と政策が違うような気がするんですけど。このバックグランドのデータはどっから出てきているんでしょうか?」と質問した。

 田村氏が「私より先生の方が詳しいんじゃないかと思いますが」と言うと、岡田教授は「私、専門委員会じゃございませんので」と回答。すると、田村氏は「専門家委員会、これは専門家の方々が判断されてますので、中のいろんなデータというのは我々、政治家もよく把握していない部分があります。今、岡田先生がおっしゃられるみたいな疑問が生まれてくるんだと思いますから、そこはしっかりと専門家会議の皆さま方がご説明していただく必要があると思います。あの、そもそも症状が出ずに感染されている方々がどれくらいいるかはまだ我々も把握ができていないわけで、そういう方々がどうも感染させる能力があるということになると、そもそもまた全体つかめていないのかも」と述べた。

 岡田教授はさらに「これは日本人の、ということはクルーズ船は日本人扱いしてませんので、でも三日月だとかチャーター便で帰ってこられた方、何百人もおられました。それが入っているとすると、あの方々は隔離されておりますので、そもそもうつさない環境になっているし、うつさないはずですよね。それを当てはめてこうなると国民はへたな安心だけを与えられて『じゃあなんで僕たちは学校休校なの?』『なんで甲子園出来ないの?』とかっていう…いろんなご説明がないとですね、納得できないんじゃないかなと思います」と指摘した。

 これに対し、田村氏は「そういうことに関しては、専門家会議…これからですね、自民党がですね、そういう専門的な知識を持っている方々と意見交換をしていこうって話もございますから、そいうところでしっかりと今、先生がおっしゃられた疑問ですね、これ聞いていただいてですね、国民の皆さんに説明責任がございますから」と答えた。

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2020年3月12日のニュース