広瀬八段 △7五桂で防戦一方打破

[ 2020年3月7日 05:30 ]

第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第5局第2日 ( 2020年3月6日    大阪市中央区・KKRホテル大阪 )

A図
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 【明暗この一手 関口武史】 封じ手開けすぐ広瀬は狙い通り香車を手に入れるが、引き換えに後手陣のバランスを崩される。形勢は互角だが、広瀬の苦労が続く展開となった。

 だが△1三王という度胸満点の受けを境に流れが反転する。そして広瀬が一瞬の隙を突いて△7五桂(A図)とクサビを打ち込んだのが好手。この一手で防戦一方だった後手に攻め合いの活路が開けた。進んで▲1七桂に△8三香▲8六香△同香▲同歩△8七歩と王頭に嫌みを付け渡辺の攻めに制約を与えたのが大きかった。

 局後渡辺も「△8七歩が厳しく苦しくなった」と語っている。ギリギリのタイミングでの桂打ちと△8七歩の叩きから突入した超難解な終盤戦を広瀬が制しシリーズ初めてリードを奪った。 (本紙観戦記者)

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2020年3月7日のニュース