「スカーレット」新型コロナ対策で異例の撮了取材会中止 戸田恵梨香11カ月完走に感慨「やり切りました」

[ 2020年2月29日 20:45 ]

約11カ月に及んだ連続テレビ小説「スカーレット」の撮影を終え、花束を受け取る戸田恵梨香(C)NHK
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 女優の戸田恵梨香(31)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「スカーレット」(月~土曜前8・00)の撮影が2月29日、大阪放送局(大阪市中央区)で終了。戸田は昨年4月2日のクランクインから約11カ月にわたる長丁場の撮影を完走した。朝ドラのクランクアップはメディアに公開され、会見が行われるのが通例だが、今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、異例の取材会中止。戸田は「やり切りました。いまだに終わったなという感覚がありません。明日、明後日もこの場所にいそうなほどです。自分にとって財産となる時間を過ごすことができました。笑顔で支えてくれたスタッフのさんに感謝です」と書面で心境を明かした。

 近年は「半分、青い。」と「なつぞら」のクランクアップセレモニーが非公開。撮影が深夜に及んだことなどが理由だったが、「スカーレット」のように社会情勢を理由に中止になるのは異例。

 女優の永野芽郁(20)がヒロインを務めた2018年前期「半分、青い。」は8月17日、視聴者に物語に没頭してもらうためのネタバレ防止、撮影が夜遅くに及んだことを理由に非公開。永野は翌18日、書面を通じてコメントした。

 女優の広瀬すず(21)がヒロインを務めた2019年前期「なつぞら」も8月20日、撮影が夜遅くに及んだことなどから非公開。翌21日朝、番組公式ツイッターとインスタグラムで動画を通じて視聴者にクランクアップを伝えた。

 「スカーレット」は朝ドラ通算101作目。タイトルの「スカーレット」とは「緋色」のこと。フジテレビ「夏子の酒」「妹よ」「みにくいアヒルの子」、日本テレビ「ホタルノヒカリ」などで知られる脚本家の水橋文美江氏(56)が朝ドラに初挑戦するオリジナル作品。“焼き物の里”滋賀・信楽を舞台に、女性陶芸家の草分けとして歩み始める1937年(昭12)大阪生まれのヒロイン・川原喜美子(戸田)の波乱万丈の生涯を描く。3月28日に最終回を迎える。

 戸田は「やり切りました。役を生きられたなと感じる作品が今までいくつかありましたが、喜美子という女性を生きることに全く違和感がなく、無理がなくて、自然と家族と一緒に年を取ることができました。『スカーレット』は日常の小さな幸せがとてつもなく幸せなんだというテーマで描いていました。私自身も幸せで、撮影の約1年間が日常となっていました。その日常が明日からなくなると考えると不思議な感覚です。いまだに終わったなという感覚がありません。明日、明後日もこの場所にいそうなほどです。自分にとって財産となる時間を過ごすことができました。笑顔で支えてくれたスタッフのさんに感謝です」と感慨深げ。

 終盤は長男・武志(伊藤健太郎)の病気が発覚するなど「作品としては、喜美子に試練が続きます。けれど、本気で自分の人生を生きている1人の女性の姿を通して、多くの人たちに力を渡せる作品になると思うので、力強い喜美子を見守ってもらえたらいいなと思います。『しあわせのかたち』っていうのは人それぞれ。喜美子が出すその答えを、楽しみに見てもらえたらいいなと思います」と呼び掛けた。

 制作統括の内田ゆきチーフプロデューサーも「戸田恵梨香さんの頑張りと作品や主人公・川原喜美子に寄せていただいた大きな愛情に心から感謝しています。喜美ちゃんを戸田恵梨香さんに演じていただき、心から良かったと感じています。陶芸は自分の中の思いが指を、手を伝い、土に伝わって作品となりますが、炎の中でまたその姿を変えて、最後に思いがけない物ができたりします。それが人生と重なるところが大きいと感じていて、ぜひ、喜美子と喜美子を取り巻く人々が表現してくれると良いなと思って、この企画を立ち上げました。その思いをかなえていただいた戸田さん、共演者やスタッフの皆さんに感謝の思いしかありません。あと1カ月、最後まで喜美子の人生をご一緒に見守っていただければと思います」と訴えた。

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