芸能界止まらぬ薬物禍…少ない接触機会で大量買い「売人にとって上客」

[ 2020年2月14日 05:50 ]

槇原敬之容疑者
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 歌手の槇原敬之容疑者(50)が13日に覚せい剤取締法違反などの疑いで逮捕されたことを受け、テレビ各局なども対応に追われた。芸能界に広がり続けるドラッグの闇。なぜ手を出してしまうのか…。

 東京五輪に向けて国内の警備が強化され、密輸入への対策が強まる中、昨年密輸規制薬物の総量が初めて2・7トンを超えるなど薬物禍は広がっている。その中で、違法薬物が芸能人に流れるケースが増えている。

 昨年、違法薬物で逮捕された著名人は10人に上る。逮捕に伴う社会的制裁も抑止力になっているとは言いがたい状況だ。なぜ芸能人の逮捕が相次ぐのか。捜査関係者は「お金をたくさん持っている芸能人は、売人にとって上客」と指摘。「世間の目を気にして、少ない接触機会でたくさんの量を買う傾向があり、もうけにつながりやすいことから狙われている」と話す。

 この日、覚せい剤取締法違反の罪に問われ仙台地裁で初公判に臨んだ田代まさし被告(63)は再犯。過去の公判では「最初の逮捕後、握手会で男から大麻とともに、連絡先の書かれたメモを渡された」と、生々しい誘惑を語った。

 昨年逮捕されたピエール瀧(52)は公判で「本業の音楽に加え役者の仕事も入り、多様な仕事をこなすうちに私生活が圧迫されストレスがあった」と話した。売れて多忙になり、疲労感やストレスに見舞われ薬物に走るケースも多い。テレビ局関係者は「“素晴らしい曲が書けるようになる”とか“セリフ覚えの能率が上がる”といった誤った認識が、いまだに芸能人の間にまん延している側面はある」と証言する。

 槇原容疑者が所持していた覚醒剤と「ラッシュ」は、いずれもセックスドラッグとして知られ、性的興奮を満たすために所持していたとみられる。捜査関係者は「薬物事犯は再犯率が高いが、性行為中に使用していたケースはとりわけ率が上昇する」と話し、それを裏付けた形だ。

 田口淳之介(34)やピエールら、執行猶予中に芸能活動を再開するケースも増えるなど、再起への取り組みを後押しする世論も出始めている中、今回の再犯について「再び厳しい目が向けられるのは間違いない」(捜査関係者)と危惧する声が上がっている。


 《自宅捜査10時間》槇原容疑者の逮捕を受け、東京都渋谷区の自宅には約30人の報道陣が集まった。近隣住民によると、この日午前7時半ごろ警察から「捜査車両を止めさせてほしい」と連絡があり、その後10時間近くにわたって捜査が続いたという。近くに住む女性は「3年ほど前に引っ越してきて、その時はあいさつもしてくれた。先週、姿を見かけた時もいつもと変わりませんでした」と話した。

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