王将戦第2局 広瀬八段“十八番”の角換わり!渡辺王将は意表を突く一手!

[ 2020年1月26日 05:30 ]

第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第2局第1日 ( 2020年1月25日    大阪府高槻市・山水館 )

渡辺王将(左)と広瀬八段(撮影・奥 調)
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 渡辺明王将(35)=棋王・棋聖との3冠=に広瀬章人八段(33)が挑む将棋の第69期大阪王将杯王将戦7番勝負第2局が25日、開幕した。戦型は第1局を落とした先手・広瀬が十八番(おはこ)の角換わりを選択。名人戦初挑戦を決め、勢いに乗る渡辺は意表の一手で主導権を奪いにいった。午後6時に66手目を封じて指し掛けとなり、第2日は26日午前9時に再開する。

 戦型は角換わりになった。47手目[先]4五歩までの局面は昨年3月の両者の対局と同じだった。

 渡辺が持つ棋王に広瀬が挑んだ5番勝負第4局。1勝2敗で後がない広瀬は手番が逆の後手で、この日の渡辺の[後]3一王ではなく[後]6三銀を指した。結果的に、カド番を落とした広瀬が竜王(当時)との2冠とはならなかった。

 両者によるタイトル戦はそれ以来で、現役最年長の立会人・桐山清澄九段(72)は「棋王戦と同じ展開で、意識はあるはず。どうするんですか?と」と広瀬の棋士心理を読み解く。10カ月越しの回答を当時敗れた渡辺に求めた形で、「一度負けた将棋の逆の手番を持ってまた負けるとこたえる」とも解説。戦型は広瀬の誘導でもあり、先手番を落とせない覚悟を感じ取っていた。

 高槻現代劇場での大盤解説会には前日、大阪市で対局があった羽生善治九段(49)が登場した。52手目[後]8六歩以降の午後の戦いについて「お互い手番が来ると困る不思議な将棋。ジリジリした展開に」と予想。ところが5四の銀に退路を設けた58手目[後]7三金で急変する。続く[先]1五歩に広瀬が2時間42分の大長考。「ひょっとしたら自己最長かも」と苦笑いする決断の一手で開戦を告げた。封じ手の次の手次第で「(2日目)午前中はいろんな展開がある」と渡辺。その連勝か、振り出しか。7番勝負の岐路が待ち受ける。(筒崎 嘉一)

 《封じ手は?》▼正立会人桐山清澄九段 [後]6三銀ですね。その次、桂を入手したい広瀬の一手が[先]7七桂ではないか。
 ▼副立会人稲葉陽八段 [後]6三銀。[先]6五銀に[後]8四角が本命だが[後]同歩もある。
 ▼記録係古森悠太四段 [後]6三銀でしょう。その後は[先]6五銀に[後]同歩の流れと思うが[後]8四角もあるかも。

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