あと2年

[ 2020年1月11日 08:00 ]

カーリングを楽しむ渡辺王将(撮影・我満 晴朗)
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 【我満晴朗 こう見えても新人類】生まれて初めてカーリングを取材した。2018年に「そだねー」が流行語大賞となった、例の氷上競技。とは言っても代表選手のインタビューではない。ターゲットは将棋棋士・渡辺明王将だ。

 2年ほど前から「氷上のチェス」に興味を抱き、年に数回は競技場のある軽井沢に棋士仲間や関係者を誘って楽しんでいるという。筆者も機会があれば一度現場をのぞいてみたいと以前から思っていたが、第69期大阪王将杯王将戦の事前取材を格好の理由にしてうかがった次第。

 正直に言う。こんなに面白いスポーツがあったのか、が偽らざる心境だ。20キロもあるストーンの扱いが簡単なようで難しい。30メートル以上先にある丸いエリア(ハウス)内に止まるよう投げるのが基本。だけどこれが予想以上に大変なんだ。

 どんな初心者でも、ハウス目がけて投げることはたやすい。だが大抵の場合、石は止まらずに奥まで突き抜けてしまう。それではと力を手加減すると、あらら今度は10メートルほどで止まってしまう。どんなに激しく氷上をスイープしたところで、いかんともしがたい。

 ふと隣のシートに目を向けると、いかにも「プロ」っぽい人物が器用にストーンを投じているではないか。とろりとろりと微妙なスピードを維持しながら進む石は意思があるかのごとくハウス内にぴたりと止まった。まるで手品だ。

 関係者によると、日本選手権上位の実業団選手なんだとか。スイープのスピードも異次元の激しさだ。なるほど、だから半そでなのか。こちとら分厚いダウンジャケットを着ていてもぶるぶる震えているのに。

 高得点を稼ぐためには緻密な戦略を練る必要もあり、チェスに例えられるも当然だ。一方で技術だけが問われるわけではない。相手のストーンをクリアする際の投石は相当なパワーが要求される。世界のトップクラスは女子でも男子のような力強さが求められるゆえんだ。

 今回の将棋チームではゲーム終了後もストーンを元の位置に戻してあれこれ検討する場面もあった。これって、「感想戦」だよね。氷上のチェスならぬ氷上の将棋。

 というわけで、近来まれに見る充実感を得た今回のカーリング取材。帰宅後は動画サイトで強豪チームの試合を楽しんでいる。ストーンをリリースする際、ちょいと回転をかけるのがコツなのか…と、にわか知識を総動員して観戦するのが快感だ。

 次のオリンピックが待ち遠しい。東京に加えて、北京もね。(専門委員)

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