小島慶子 安全神話なき令和の子育て「人生の質を高めてあげて」

[ 2019年12月29日 05:45 ]

これからの時代の子育て世代に向けて「その子の人生の質を高めてあげてほしい」と呼びかけた小島慶子(撮影・稲垣純也)
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 子育ての悩みが尽きないという人は多いはず。いまや情報が氾濫し過ぎて、取捨選択にも一苦労。昭和とも平成とも違う新たな時代を迎え、「令和の子育て」はどのような心構えをすればいいのだろうか。

 新著「仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!(パパもね!)」(日経BP)を上梓したTBS元アナウンサーでタレントの小島慶子(47)は「子供が楽しいと思える経験を、今させてあげてほしい」とアドバイスを送る。

 移住先のオーストラリアと日本を行き来しながら、16歳と14歳の息子2人を育てる小島。著書には「安全神話なき世をいかに生きるかは、令和の子育ての大きな課題ではないか」と記した。

 「安全神話なき世」と記したのは、就職難に見舞われた「ロスジェネ(失われた世代)」と「東日本大震災」という2つの経験が大きい。

 小島が就職活動したのは95年。既にバブルは崩壊し、大手企業が相次いで倒産。「リストラ」という言葉も生まれた。「有名な大学を出たら就職できると親は思っていた。それが実際に就活をすると、大卒だけれども正社員になれなかった人が大量に生まれた」と、戦後の高度経済成長で築かれた「神話」の終焉(しゅうえん)を肌で感じた。

 東日本大震災でも「3月10日までは、誰も原発のふたが吹き飛んだり、一晩でこれだけ大勢の人が津波の犠牲になるとは思っていなかった」と「安全神話」の価値感が崩れた。

 こうした体験から強く抱くようになったのは、子供の「クオリティ・オブ・ライフ(人生の質)」をいかに高めてあげるか。「子供に毎日習い事をさせたり、プリント50枚やらせて“将来がよくなるからいいじゃない”という人がいるかもしれない。でも、その子に将来何が起きるかは誰にも分からない。考えたくないけれども、それが現実」と指摘。だからこそ「子供の身に何か起きて短い人生がもし終わったとしても、旅立ちの瞬間に“幸せに生きていたよな”と思ってくれる子育てをしたほうが悔いはないと思う」と説く。

 子供の尊厳について移住生活を送るオーストラリアで学んだことがあった。長男が小6の頃、学校の旅行に参加するため学校側が用意した書面にこう書かれていた。「ルールを守らない子は、自然のど真ん中から車で送り返します。その交通費は親持ちです」。この書面には親だけでなく本人が同意のサインをする欄もあった。長男に対し「やってはいけないことをやると先生に送り返されてしまう。その上、凄いお金をお母さんが払わなくちゃいけない。だから、君の行動には責任があるんだよ」と伝え、本人も緊張しながらも誇らしげにサインしたという。

 現代ならではの悩みがSNSの利用。未成年が誘拐される事件が相次ぎ社会問題になっていることについて、小島は「まず大前提として、SNSで子供を誘い出そうとするやつが100%悪い。決してついていった子供が悪いんじゃない」と言い切る。小島家の場合は「ひどいことをする大人は残念ながら存在する。学校でも知人でも、体を触ってきたり、いやなことをしようとする大人がいるかもしれない。そのときに君はノーと言っていい」と伝えており「もし被害にあっても、君は悪くない」と被害を言い出しやすい環境を心がけてきた。

 「親は子供の代わりに生きてあげることはできないし、代わりに考えてあげることもできない」と小島は言う。たくましく生きてもらうために「その子が置かれた環境で適切な判断を下せるように、手伝いをしていきたい」と力を込めた。

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