「闇営業」新語・流行語大賞トップ10に 選考委員は複雑「ドラマ、お笑いのフレーズはなく…」

[ 2019年12月2日 17:00 ]

<2019ユーキャン新語・流行語大賞>「闇営業」でトップ10入りを果たし、あいさつする藤田康雄・FRIDAY編集長(撮影・吉田 剛)
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 年末恒例の「2019ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)の発表・表彰式が2日、都内で行われ、芸能界関連では「闇営業」が選ばれた。

 この問題を報じた写真週刊誌「フライデー」の編集部が受賞。表彰式で藤田康雄編集長は「受賞者は宮迫博之さんではないか、という声もあったようですが」と前置きし、「ずっと取材してきた現場の担当者からタイトルの提案があり、そこで初めて『闇営業』に」と経緯を説明。「闇営業という言葉を知らなかったものですから、本当にそんな言葉があるのかとネットで検索したんですけど、ヒット数はゼロでした。本当に新語だったのかもしれません」と述べた。

 闇営業とは、芸人らが所属事務所を通さずに直接営業し、ギャラをまるまる懐に入れることを指す業界用語。6月7日発売の「フライデー」は、複数のお笑い芸人が事務所を通さずに特殊詐欺グループの忘年会に参加していたことを報じた。

 芸人の多数は吉本興業に所属しており、解雇や謹慎処分を受けた。一方で、吉本興業が所属芸人の大半と契約書を交わしていなかったことや、芸人のギャラの取り分が極めて低い実態も明らかに。

 主催者側は「『闇』には世間の目をはばかることという意味があるから、まさに的を得た造語といえる。芸人の皆さん、その後ギャラは増えましたか?」と問いかけている。

 選考委員たちも複雑な様子。女優の室井滋(59)は、「毎年流行る連続ドラマやお笑いのフレーズはなく、”闇営業”ばかりが目立ってしまったのも寂しい限りだ」とコメント。漫画家の辛酸なめ子さん(45)は「芸能界に様々な激震が走った今年。ブラックホールの写真も話題になりましたが、闇営業の吸引力は強かったです」、歌人の俵万智さん(56)も「お笑いからの言葉に元気がなかったのが残念です」と振り返った。

 令和最初の年間大賞は「ONE TEAM」で、ラグビー日本代表チームに授与。

 日米の野球史に数々の記録を残したイチロー氏(46=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が、3月21日の引退会見で述べた「後悔などあろうはずがありません」が選考委員特別賞に選ばれた。

 トップテンには、「計画運休」「軽減税率」「スマイリングシンデレラ/しぶこ」「タピる」「#KuToo」「○○ペイ」「免許返納」「令和」も入った。50音順で、順位はつけていない。

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