珠城りょう「男役度が問われる役」に意欲 月組公演「I AM FROM AUSTRIA」開幕

[ 2019年11月29日 18:35 ]

主人公のジョージを演じる珠城りょう
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 宝塚歌劇月組公演「I AM FROM AUSTRIA-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-」(潤色・演出/齋藤吉正)が29日、東京宝塚劇場で初日を迎えた。

 本作は「エリザベート」「モーツァルト!」を生み出したウィーン劇場協会が17年に制作、現地でロングランヒットとなった。日本・オーストリア国交樹立150周年を記念したもので国外初公演となる。ウィーンを舞台に「故郷」や「家族」をテーマにしたコメディー。老舗ホテルの跡継ぎと宿泊者のハリウッド人気女優との恋の行方が描かれる。

 主人公のジョージを演じるトップスターの珠城(たまき)りょうは「素晴らしい楽曲と美しい世界観の中で出演者一同楽しみながら演じている。東京公演でお客様にもこの世界観を存分に楽しんでいただけるよう心をこめて務めていきたい」と意気込みを語る。オーストリア・ミュージカルながら、宝塚らしさがたくさん詰まった作品に仕上がっている。「宝塚ならではの舞台装置になっているので、映像や照明の使い方が今までにないものだけれど宝塚らしさがある。華やかで好きですね」と珠城。トップ娘役の美園(みその)さくらは「ウィーン版はとてもスタイリッシュ。宝塚らしくにぎやかにセットもより豪華。フィナーレ・ナンバーも加わり、宝塚らしい華やかな舞台になっている」とアピール。

 ホテルの御曹司を演じる珠城だが、以前「カンパニー」でも現代劇の青年役に挑戦した。「宝塚のトップらしくなく、自分が一番ノーマルで周りのキャラクターの方が個性的。男役度が問われるというか、宝塚のトップとしてもそれなりのエネルギーを持ってお届けしなければいけない。そのバランスと周りのお芝居の兼ね合いを考えながら作っていった。(カンパニーの時と)違った意味で苦労した」と役作りの思いを語った。

 花組から5年ぶりに月組に復帰した鳳月杏(ほうづき・あん)は、ジョージの父親役。ユーモアを交えながら存在感たっぷりに披露、芸達者なところを見せた。

 12月28日まで。千秋楽は全国各地、香港、台湾の映画館でライブ中継される。                             

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