広瀬竜王―藤井七段“運命”の分かれ目 元王将・郷田九段のポイント解説 王将戦挑戦者決定リーグ

[ 2019年11月19日 22:03 ]

第64・65期王将の郷田真隆九段
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 将棋の第69期大阪王将杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は19日、東京・将棋会館で挑戦者決定リーグ最終一斉対局が行われ、注目の広瀬章人竜王(32)―藤井聡太七段(17)戦は、126手で広瀬が勝利した。勝敗の分かれ目を第64・65期王将の郷田真隆九段(48)が解説する。

 注目の大一番は、藤井七段の先手番でした。藤井七段と言えば、先手番では「角換わり将棋」を志向することが多いイメージですが、本局では「矢倉」を目指しました。もっとも藤井七段はもはや戦型を問う棋士ではありません。

 広瀬竜王と呼吸が合い、戦型は相矢倉になりました。比較的少ない形に進み第1図です。藤井七段の▲9六歩が印象に残ります。相手に態度を聞く一手で、ベテランのような指し方。ここが専門家にとってはまず最初の難関、相撲で言えば“差し手争い”、競馬なら“折り合いをどうつけるのか”が問われます。

 進んで第2図、第1図の▲9六歩が良い方向に向かい、先手ペースになっています。しかし、次の▲8一と、が勝敗を分ける鍵になったのではないでしょうか。以下△6二飛、▲9一と、で香得に成功しましたが、次の△7六歩からの反撃が予想以上に厳しかった。(結果的に)▲8一と、では▲7二と、ではなかったか……。以下△8三飛、▲5五銀に、本譜と同様に△7六歩、▲同銀、△7五歩なら▲7三と、の軽手があり、△同飛、▲6四銀は先手有利でしょう。即ち、この進行なら(藤井七段が)少し優位を保てていたのではないかと思います。

 一方の広瀬竜王は、ペースをつかんでから完璧な内容で、最後も鮮やかに藤井玉を仕留めました。ここは先輩の威厳を示した形で、さすがと言えるでしょう。

 藤井七段にとっては初のタイトル挑戦権がかかった一局でしたが、まだこれからです。今後もご注目を頂き、引き続きプロ棋士の熱い戦いをご覧頂ければと思っております。(棋士・郷田真隆)

 ◆郷田 真隆(ごうだ・まさたか) 1971年(昭46)3月17日生まれ、東京都出身の48歳。90年に四段昇段し、92年に初タイトルの王位を奪取。四段での戴冠は史上初だった。2015年、第64期王将戦で初の王将位獲得。翌第65期を防衛。通算タイトルは6期。

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