八千草薫さんは「日本女性を象徴」「永遠の初恋の人」…各界から悼む声

[ 2019年10月29日 05:30 ]

八千草薫さん死去

八千草薫さん(2015年撮影)
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 女優の八千草薫(やちぐさ・かおる、本名谷口瞳=たにぐち・ひとみ)さんが24日午前7時45分、すい臓がんのため都内の病院で死去した。88歳。大阪府出身。葬儀・告別式は近親者で営んだ。夫で映画監督の谷口千吉氏と2007年に死別後も多くの作品に出演。年を重ねながら芸域を広げた名女優だった。

 【各界から追悼】
 ▼石井ふく子プロデューサー(「女の言い分」など)存在しているだけで素敵な方でした。全身から不思議な色気が感じられ、透明感があり、年齢を感じさせない方でした。映画スターさんだったので、最初テレビにはご縁がなかったのが「日曜劇場」にご出演いただけてうれしかったことを覚えています。それ以来テレビや舞台でお仕事させていただきました。優しい心の中にしっかりと芯を持った方でした。日本女性を象徴するような美人女優さんで、和服がよくお似合いでした。

 ▼堀川とんこうさん(「岸辺のアルバム」で演出・プロデュース)八千草さんが演じた主婦は浮気をする役で、本人にはちゅうちょもあったが一生懸命演じてくれた。今見返しても素晴らしい作品だと思う。個性はあっても嫌な癖はなく、多様な役をこなした。世の男性にとって、永遠の初恋の人と呼べる存在だったとも思います。

 ▼浜木綿子(宝塚歌劇団の後輩)私が宝塚歌劇団に入団したときにはもういらっしゃらず、退団してから、「放浪記」の初演など、東宝の舞台でご一緒しました。本当に美しい方で芯には強いものをお持ちでした。最後にお会いしたのはある方のお葬式でした。最近、山登りしていらっしゃいますか?とお尋ねしますと、年ですからやめましたとおっしゃいました。養生していらっしゃったと思いますが、本当に残念です。

 ▼武田鉄矢(「くじけないで」で共演)一緒にお仕事をさせていただきました。とても無邪気な美しい方でした。撮影において簡単にOKを出されるのがいやで「本当にいいですか?本当にいいですか?」と念を押されていたのが印象的でした。演技において甘えのない見事な女優さんでした。

 ▼中田喜子(「岸辺のアルバム」で共演)いつも穏やかで、チャーミングな八千草さんの笑顔が忘れられません。完治なさると思っていましたが、残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。

 ▼国広富之(「岸辺のアルバム」で八千草さんの息子役で共演)悲報を聞いて「(役名の)繁ちゃん」と、いろいろな感情で息子を呼ぶ八千草さんの声と顔が鮮明によみがえってきました。不器用と言いながら心の底からのお芝居をされるので、八千草さんの優しさが出ているといつも感じていて、本当の母親のようなとても印象深い女優さんでした。2、3年前に2時間ドラマでご一緒したのが最後で、もう二度と会えないと思うと悲しいし残念でなりません。

 ▼岸本加世子(「拝啓、父上様」などで共演)私がまだ若い頃、現場でイジメに遭ったことがありました。八千草さんは身をていしかばい、守ってくださいました。「雑音は聞かなくて良いのよ」と、当時発売したばかりのカセットプレーヤーをプレゼントしてくださいました。強く励ましていただいたこと、一生忘れられません。こんなに悲しい別れはありません。八千草さん、心から感謝でいっぱいです。

 ▼渡辺謙(「独眼竜政宗」で共演)八千草さん、穏やかな、それでいて奥に強い芯があるあの笑顔が見られなくなるのは悲しいです。引きながら際立つけうな先輩でした。ゆっくりお休みしてくださいね。

 ▼国分太一(「しゃべれども しゃべれども」で共演)現場ではいつも優しい目で見守ってくださいました。その空気の中でたくさんのことを学ばせていただき、感謝しかありません。八千草さんゆっくり休んでくださいね。

 ▼檀れい(宝塚歌劇団の後輩)宝塚音楽学校生の頃、舞台メークをした八千草さんのお写真を拝見し、あまりにも美しくあまりにもかれんな、白百合のような娘役姿に心を奪われた思い出があります。こんな娘役でありたい。私の憧れの方でした。八千草さんとひとときでもご一緒できたこと私の宝物です。今はまだ信じられなくて、涙があふれるばかりです。

 ▼宝塚歌劇団・小川友次理事長 宝塚歌劇の娘役を体現したような上品さとかれんさを併せ持ったけうなスターであり、2014年の宝塚歌劇100周年の際には、宝塚大劇場の舞台で楽しい言葉の数々を頂戴した。功績をしのび、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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2019年10月29日のニュース