「スカーレット」初回登場の窯は本物!1200度の炎に戸田恵梨香も衝撃「CGじゃ絶対出せない」

[ 2019年10月6日 16:00 ]

連続テレビ小説「スカーレット」のヒロインを務め、本物の窯の前で演技する戸田恵梨香(上)と、ドラマのために造られた“スカーレット窯”(C)NHK
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 女優の戸田恵梨香(31)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「スカーレット」(月~土曜前8・00)は、第2週「意地と誇りの旅立ち」(7~12日)の途中から“本役・戸田”が登場する。第1話(9月30日)の冒頭、火を吹き上げて迫力満点のプロローグを盛り上げた大きな焼き物窯は、ドラマのために制作チームが造ったオリジナルのもの。番組関係者から“スカーレット窯”と呼ばれる窯の誕生秘話、撮影の舞台裏をNHKに聞いた。

 朝ドラ通算101作目。タイトルの「スカーレット」とは「緋色」のこと。フジテレビ「夏子の酒」「妹よ」「みにくいアヒルの子」、日本テレビ「ホタルノヒカリ」などで知られる脚本家の水橋文美江氏(55)が朝ドラに初挑戦するオリジナル作品。“焼き物の里”滋賀・信楽を舞台に、女性陶芸家の草分けとして歩み始める1937年(昭12)大阪生まれのヒロイン・川原喜美子(戸田)の波乱万丈の生涯を描く。

 半年間の長丁場の“つかみ”となる大事なファーストシーン。主人公・喜美子が対峙する窯と、その中で焚かれる1200度の炎。当初は特殊効果を使うことも考えられたが、信楽焼を作るリアリティーを演出し、ヒロインのキャラクターに深みを持たせるため、本物の窯を作り、火を焚くことを制作陣が決断。美術チームの総指揮の下、今年年1月から窯のデザイン案の制作がスタートした。

 “スカーレット窯”は焼き物窯の古い型式の1つ「穴窯」を採用。手作り感や素朴さが伝わる形と質感が重要視され、デザインが仕上がると、そこから約2週間で完成した。ドラマのためにイチから窯を造ると知った戸田「ものすごい本気を感じますし、衝撃を受けました」と真剣な表情を浮かべた。

 プロローグの撮影は今年5月、滋賀県内で行われた。夜の撮影に備え、昼から窯の中に薪がくべられ、火が焚かれた。撮影は陽が落ちた午後7時頃からスタート。窯が設置された小屋の中にはスタッフがひしめき合い、窯から炎が噴き出すシーンや臆することなく喜美子が窯の中に薪をくべるシーンがカメラに収められた。

 窯の中の炎の温度は1200度で、戸田の顔を赤く照らし出した。本物の窯と炎と向き合った戸田は「窯の温度を1200度まで上げるということは聞いていましたが、実際、そこに立ってみると、もう熱すぎて。距離があっても火傷しそうになるくらい」と大変だった様子。その一方「窯の中を見つめていると、炎の勇ましさだったり、自分の神経が研ぎ澄まされていくのも感じて。こんなの、CGじゃ絶対に出せない、本物には勝てないなと思いました」と振り返り、手応えを示した。

 「撮影していく中で、窯のすごさを実感していきました。『ここから喜美子の世界が広がっていって、作品が飛び立っていくんだな』という未来のことも想像させてくれて、とても感慨深かったです」と実感がこもった。

 “スカーレット窯”は中盤以降、物語の重要なモチーフとして再登場。NHKは「本物の迫力を是非、映像で体感してください」とアピールしている。

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2019年10月6日のニュース