久保利明九段 陥落の悔しさバネに「自分との戦い」

[ 2019年9月26日 05:30 ]

王将戦 挑戦者決定リーグ 最強バトルロイヤル!生き残るのは誰だ!?<5>

4度目の挑戦権奪取へ意気込む久保利明九段(撮影:吉松伸太郎)
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 挑戦者決定リーグの戦い方を、誰よりも熟知している。前王将の久保利明九段(44)は、王将在位期間が長かった羽生善治九段(48)の15度を上回り、今期メンバー最多となる16度目の出場。「毎年凄いメンバーなので、もうまひしている(笑い)。もちろん対策はするけど、全て自分との戦いなので誰が相手でも一緒。戦い方は体に染み込んでいる」と言い切る。
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 王将3連覇を目指した前期7番勝負は、挑戦者の渡辺明現王将(35)に無念のストレート負けを喫した。「力不足。やはり残念な気持ちが強かった」と当時は沈んだものの「期が変わって切り替えはできたと思う」。4度目の挑戦権奪取へ、再び前を向く。

 初参戦の藤井聡太七段(17)とは今年の公式戦初対戦から、3勝1敗と貫禄を見せる。「当たり過ぎ(笑い)。ある程度局数が増えて、棋風が分かってきたのが大きい」。気になる攻略法は「相手を意識しない。メンタルを保ち、100を出す戦い方をする。出し切って負けるなら仕方がない」と説く。取材陣の多さも「気にならない。鈍感力かな」と笑い飛ばす。

 プロでは少数派となった「振り飛車」の第一人者と呼ばれて久しい。「将棋もそれ以外でも、人と違うことをしたいという好奇心がある」。振り飛車は将棋ソフトの評価値が低いとされる風潮に真っ向から反発。「結局は中、終盤の勝負。ソフトが間違っていると結果で証明したい」と意地をのぞかせる。

 棋士会の活動で今月、昨年の西日本豪雨で被災した岡山県矢掛町でチャリティーイベントを開催した。2年前、王将戦7番勝負で訪れた思い入れのある場所だ。「将棋を通じて少しでも社会貢献をしていこうと壇上で話した。後輩も聞いていたので、今後につなげてくれれば」。4年間務めた副会長職は若手に譲っても、社交的な性格を生かして将棋界と外の世界をつなぐ意識は変わらない。

 ◆久保 利明(くぼ・としあき)1975年(昭50)8月27日生まれ、兵庫県加古川市出身の44歳。淡路仁茂九段門下。93年四段に昇段しタイトル獲得は王将4期と棋王3期。左利きだが趣味のゴルフは右打ち。2人の娘も将棋に熱中。

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