冷めないサウナ熱 今日も原田泰造は整っている 通い詰めて20年超

[ 2019年8月20日 10:30 ]

サウナのベンチ下段に座り汗をかく原田泰造
Photo By 提供写真

 【夢中論】お笑いトリオ「ネプチューン」の原田泰造(49)はレギュラー番組を5本抱え、多忙な中でもサウナ通いだけは欠かさない。20代から続ける“大人の楽しみ”だ。暑さを耐えに耐え抜いた先にあるのは、至福の5分間。タイゾー流の入り方とは――。

 サウナに入ると、階段状のベンチの下段に座った。12分計タイマーの針の位置を覚え、ふうと息を吐いて背筋を伸ばす。3、4分すると腕や肩に玉のような汗が浮かんでくる。タイマーの針が半周すると、顎から汗が滴り落ち始めた。

 「すっごい汗っかきなんですよ。ベンチは上段の方が熱くて人気があるけど、僕は下段でも汗の量が変わらない」

 12分たつと退出。かけ湯で汗を流し、15度の冷たい水風呂に首まで一気に漬かった。ビリビリくる冷たさで体を丸めることはなく、2分ほど漬かると、次は休憩。浴室に置いてある椅子に座って目を閉じた。そのまま5分間、じっと動かない。

 「脳味噌からドローンと気持ちいいのが出てくる。睡眠に落ちる寸前の状態がずっと続いている感じ。これが超気持ちいい」

 再びサウナに入って、このサイクルを3回繰り返した。計約1時間。浴室を出ると、すぐに水分補給。900ミリリットルのスポーツドリンクを腰に手を当てて一気に飲み干した。

 「最高。精神が整う。ストレス発散にもなる。最近はドラマの撮影日以外は毎日、どこかのサウナに行っています」

 他人が使った歯ブラシをゴミ箱に捨て、放置されている洗面器を片付けるなど、スタッフのように動き回る。10年ほど前、行きつけの3店舗が立て続けにつぶれたのがきっかけという。「このままだとサウナがなくなっちゃうという恐怖を覚えた。それ以来、店側の気持ちになっている」

 酒やタバコと同様、成人してすぐ、大人への憧れとしてサウナに興味を持った。ネプチューンの堀内健(49)と組んでいた前身コンビ「フローレンス」時代は東京・新宿のサウナ施設に通った。

 「2人でそこでネタを作って、よく泊まった。懐かしい。ケン(堀内)はいつしか岩盤浴派になっちゃいましたけど(笑い)」

 芸人として売れ始めた20代後半から、都内の数店舗に連日通うようになった。

 当初は「座るのは上段」「水風呂は13~14度」などと決め、自身の好みに合う施設に通った。しかし、サウナが生活の一部になるうちに、こだわりはなくなっていった。

 「施設によって温度も湿度も広さも違う。なので、決めごとは捨てて、逆に自分がそこに合わせにいく感じになった」

 楽しむための心のゆとり。この柔軟なスタイルは仕事の取り組み方と同じだ。俳優としては人一倍セリフの練習はするが、役を作り込むことはしない。「役作りってイマイチよく分からない。原作があれば原作を読んで、監督と話して、準備をしているうちにだんだんできてくるものだと思っている」。型を決めずゆっくりと役にアプローチする。そのため、自然体の演技力に定評がある。

 ネプチューンで5本のレギュラー番組を抱える一方、ドラマや映画に年間3作ほどのペースで出演。そして、サウナ好きを公言する中で舞い込んできたのが、7月から始まったテレビ東京の主演ドラマ「サ道」(金曜深夜0・52)だ。

 役作りは一切せず、素の自分のまま演じている。「僕のサウナの入り方そのまんま。毎日通う僕を尋常じゃないと思っている奥さんに“いつもこうやって入ってるんだ”と、ドラマを通じて初めて見せることができた」

 趣味を作ろうと、ゴルフやスポーツジムも始めたが長続きせず、唯一続いているのがサウナだ。昨年末にバイクの免許を取り、先月に大型バイクを購入。愛車で都内の温泉施設に行ってサウナに入り、近くの映画館でレイトショーを見るのが最近のマイブームだ。

 サウナと水風呂を繰り返す「温冷交代浴」の効果なのか、肌はすべすべ。性格もとがったところはなく、常に穏やかなのも、その効能なのかもしれない。「サウナの魅力は?」と聞くと「実は分かっていない。なんか行きたくなる。毎日行きたくなる。不思議です」と返した。通いだして20年超。ひと言で魅力を語れないほど日常になっている。仕事でも風呂場でも心地いい汗をかく毎日。衣食住と同じく、サウナは人生に欠かせない大人のたしなみだ。

 ≪“バイブル”原作ドラマ 主役オファーに大興奮≫主演ドラマ「サ道」は漫画家タナカカツキ氏の同名漫画が原作。原田は「サウナー(サウナが好きな人)にとって原作漫画は教科書。サ道がドラマになるだけでもうれしいのに、まさか自分に主役オファーが来るなんて」と興奮気味に振り返った。伝説の「サウナー」を追って旅する主人公を好演中。共演している三宅弘城(51)、磯村勇斗(26)とはプライベートでも一緒にサウナに行ったという。

 ≪休養中名倉の分も≫ネプチューンの名倉潤(50)は昨年6月に受けた頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア手術の影響でうつ病を患い、今月1日から約2カ月間の休養に入ったばかり。原田は「潤ちゃんが元気に戻るまで、そして安心してゆっくりできるように、しばらく2人ネプチューンで頑張ります」と意気込んだ。

 ◆原田 泰造(はらだ・たいぞう)1970年(昭45)3月24日生まれ、東京都出身の49歳。94年に堀内、名倉と「ネプチューン」を結成。ショートコントの「ホストのアキラ」役で人気に火が付き、バラエティー番組での「原田大明神」や「フンドシ先生」などの裸キャラも全国区に。00年、フジテレビドラマ「編集王」で単独初主演。これまでNHK大河ドラマに3作出演。1メートル77。血液型B。

続きを表示

この記事のフォト

2019年8月20日のニュース