菫初段 最年少で女流棋聖戦本戦へ「70点 次も頑張ります」」

[ 2019年8月6日 05:30 ]

第23期ドコモ杯女流棋聖戦予選Aで金賢貞四段(手前)と対局する仲邑菫初段
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 囲碁の最年少プロ、仲邑菫初段(10)が5日、名古屋市の日本棋院中部総本部で女流棋聖戦予選の対局に臨み、金賢貞(キム・ヒョンジョン)四段(40)に120手で白番中押し勝ちした。9月か10月に予定される本戦入りを決め、10歳6カ月か7カ月での女流棋戦の本戦入り最年少記録を更新した。

 これまでの最年少記録は藤沢里菜女流本因坊(20)が2012年の女流本因坊戦で対局した13歳8カ月だったことから、3年あまりの大幅な更新。対局後の感想戦を経て報道陣に応対した仲邑は、「良かったところは?」「点数をつけるとしたら?」などの問い掛けにはにかみ「本戦に向けて?」との質問に「頑張る」と応じたのみだった。

 その後棋院職員を通じて「勝てて良かった。点数をつけるとしたら70点。次も頑張ります」「夏休みに久々に韓国で2週間弱、勉強してきた」「お昼は家でお母さんの手作りのチンジャオロースを食べてきた。今はおなかがすいているので、帰りの新幹線ではお弁当の天むすを食べたい」とのコメントを発表した。武者修行先の韓国・ソウルへは7歳から一家3人で再三渡り、腕を磨いてきた。

 中部総本部所属の金の地元で、公式戦では初めて地元大阪を離れての対局。仲邑は4月、デビュー戦の竜星戦で大森らん初段に敗れたが、先月の女流棋聖戦予選で田中智恵子四段に勝ち、公式戦初勝利。この日の勝利で公式戦は連勝となり、通算成績で白星を先行させた。

 「初めての対局なのでどういう棋風か楽しみにしていた」と金は気合十分で臨んだが通じず「読みが速くて正確。うらやましいくらいいろんな才能を持っている」と娘ほどの年齢の10歳を称賛した。女流に5つある棋戦のうち現在4冠に輝く藤沢を上回るハイペースでの記録更新に実力は証明されつつある。

 【仲邑アラカルト】▽プロ入り 日本棋院が新設した「英才特別採用推薦棋士」の第1号で今年4月、史上最年少の10歳0カ月でプロ入り。藤沢の11歳6カ月を抜く。

 ▽プロ初勝利 先月の女流棋聖戦予選で田中智恵子四段から。10歳4カ月での勝利は藤沢の11歳8カ月を更新した。

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