N国党・立花代表「自分は星野監督タイプ」 政治力、交渉力で勝負

[ 2019年7月31日 10:30 ]

「NHKから国民を守る党」立花孝志代表
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 参院選で初めて議席を獲得し、政党要件を満たした「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表(51)が、8月1日開会の臨時国会でついにデビューする。

 大きな体に似合わず、動きは早かった。北方領土を巡る発言で世間を騒がせた丸山穂高衆院議員にラブコールを送り続け、29日に2度目の交渉で入党を決意させた。翌30日にはかねてから尊敬していたというベテランの渡辺喜美参院議員と、新会派「みんなの党」結成を発表。参院選後の10日間で、もっとも目立った新人議員といえるだろう。

 30日の会見後、記者数人で追加取材を申し込むと「スポーツ紙はよく読みますから」と笑顔で応じた。立花氏はかつて務めたNHKのスポーツ部門で勤務経験があり、中継に関する交渉でプロ野球球団にもよく足を運んだという。会派結成を事務局に届けたその足で渡辺氏と参院内のあいさつ回りに向かい、ほんの十数分で集めた先輩議員らの名刺をテーブルに並べて「これこそ渡辺先生と組んだ成果」と満足げな様子。「自分は野村(克也)監督より、星野(仙一)監督タイプだと思っている。技術や理論を突き詰めるのではなく政治力、交渉力でチームを強くする」との自己分析には思わずうなずいた。

 会見でも「選挙が得意と自負している」など自信満々な発言が目立ったが、渡辺氏を迎える前には先輩を気遣い「不勉強ですみません。右と左ではどちらが上座なんでしょうか」と報道陣に尋ねるなど、意外な一面も見せた。(ちなみに部屋の造りからどちらの考え方もあり、報道陣は誰も答えられなかった)。「NHKをぶっ壊す」と過激な言葉を連呼する政見放送も、絶叫するわけではなく、さわやかな笑顔で毒を吐くからこそギャップが目を引いた。丸山氏は「究極の人たらしやなと。豊臣秀吉はこんな感じだったのでは。毒っ気もあれば人情味もある」と印象を語っていた。

 渡辺氏と立花氏は、2人に共通するキーワードとして「レバレッジ=てこの原理」を口にした。議員生活を送る目的は、受信料を払った人だけが視聴できる「NHKのスクランブル放送」実現のみ。小さな力で、いかに大きな成果を挙げられるか。しばらく「N国」の動きから目が離せそうにない。(記者コラム・矢吹 大祐)

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2019年7月31日のニュース