大泉洋「すべてに意味がある」人生唯一の挫折が今に「TEAM NACS」でいる誇り 共通点は笑いのツボ

[ 2019年7月14日 07:00 ]

日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」の主演を務める大泉洋(C)TBS
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 バラエティー番組に出演すれば、お笑い芸人顔負けのトークで爆笑をかっさらう俳優の大泉洋(46)。7月クールはTBS日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」(日曜後9・00)に主演。どん底から這い上がる熱い男に珍しく挑んでいる。チケット入手困難な北海道発の5人組演劇ユニット「TEAM NACS」の一員で、全国区になって約15年。メンバーとの固い絆や、人生唯一の挫折が現在につながっていると打ち明けた。

 数々のヒットドラマや映画の原作を生み出してきた作家・池井戸潤氏(56)が書き下ろし、6月13日に刊行されたばかりの同名小説(ダイヤモンド社)を早くも映像化。大手自動車メーカー「トキワ自動車」を舞台に、経営戦略室のエリート社員から一転して府中工場の総務部長に左遷されたサラリーマン・君嶋隼人(大泉)が、14億円もの赤字を抱えて低迷するラグビー部「アストロズ」のゼネラルマネジャー(GM)として再起をかける姿を描く。初回の平均視聴率は13・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好発進した。

 「半沢直樹」「ルーズヴェルト・ゲーム」「下町ロケット」「陸王」と池井戸原作を絶妙なキャスティングとダイナミックな演出で他の追随を許さないドラマに仕上げ、視聴者を魅了してやまない伊與田英徳プロデューサー&演出・福澤克雄監督が再びタッグ。大泉は池井戸作品初挑戦で、TBSの連続ドラマも初主演。主人公を尻に敷く妻・真希を松たか子(42)、主人公に立ちはだかる敵役、トキワ自動車常務取締役営業本部長・滝川桂一郎を上川隆也(54)が演じる。

 第1話のラスト。廃部さえ検討した主人公がラグビー部員を鼓舞した。「サラリーマンに努力賞なんてものはないんだよ!この世界、正義が勝つんじゃない。勝った者が正義なんだ!勝者は喝采を浴びて、敗者は批判にさらされる。ラグビーだろうが、ビジネスだろうが、それは同じだろう」「ラグビーは君たちの誇りだろ!こんな卑屈なチームじゃ、監督なんて決められるわけもない。いいか、君たちは今、どん底だ。それをまず自覚しろ。そして、あとは上だけを見ろ」。一連のシーンは時間にして約8分半、台本上は11ページにも及ぶ長台詞だった。

 「私と言えば、うだつの上がらない男とかね(笑)。今回は、今まであまり演じたことがない役かもしれません。どん底から這い上がるのは、やっぱり日本人が好きな話。そんな役を演じさせていただけるのは光栄ですよね」

 人気演劇ユニット「TEAM NACS」の一員。1996年、北海学園大学演劇研究会に所属していた5人が結成。NACSは「North(北の)Actors(役者の)Club(集まり)Special(特別な)」の略称。2004年、第10回公演「LOOSER~失い続けてしまうアルバム~」で初の東京公演を行った。

 森崎博之(47)安田顕(45)戸次重幸(45)が「下町ロケット」、音尾琢真(43)が「陸王」と日曜劇場の池井戸作品に先に出演済み。大泉が“大トリ”となったが「みんなが素晴らしい作品に呼んでいただいていたのは、同じメンバーとして誇らしい気持ちがありました。おかげさまで、NACSの知名度も上がって。ただ、自分が熱いドラマに出るイメージはあまりなかったので、今回はビックリしたところもあります。メンバーと出会ったのは僕が20歳の時ですから、もう四半世紀になりますか。5人とも、この仕事でちゃんと生活できているというのが本当にありがたいですし、恵まれていますよね」と、しみじみ。

 さらに「われわれの共通点というと、笑いのツボだと思うんです。往々にして、下ネタなんですけど(笑)。アダルトな下ネタじゃなく、中学生もしくは小学生レベルの下ネタで、死ぬほど笑っているというのは僕らでしかあり得ない空気感なのかと思いますね。海沿いのロケに行ったら、だいたい、どこの海岸にもチ○コ岩があるじゃないですか(笑)。それを目にした時のNACSのはしゃぎ方といったら、ないですからね」と爆笑を誘った。

 ドラマの題材・ラグビーの精神「One for all,All for one」もNACSにある?と尋ねると「助け合いみたいなことは、ほとんどないと思いますよ。リーダー(森崎)はよく口にしますが、決して口に出さなくても、NACSの存在というのは、みんなにとって、やっぱりどこか大きいですし、ケンカして仲が悪くなることがあっても、結局、じゃあ辞めようぜというヤツは出てこないんです。NACSのために何か頑張ろうということはないんですが、やっぱりNACSでいること、NACSとして大きくなっていくことの喜び、誇りは、みんな、どこかにあるんだと思いますね」とメンバー間の結び付きや距離感を語った。

 ドラマの主人公も挫折を味わったが、大泉は「僕にとって人生唯一の挫折は大学受験の失敗」と告白。2浪したものの、希望の大学には合格しなかった。「僕にとって大変大きな挫折だったんですが、逆に言うと、今の僕を支えている出来事はそれしかないというぐらい。東京の大学に受かって人生をスタートしていたら、NACSの皆さんにも出会わないし、『水曜どうでしょう』(96年スタート、北海道テレビ・HTB制作のバラエティー番組)にも出会わないわけ。その人生を考えると末恐ろしいというか、どうなっていたんだろうと思います。やっぱり自分の身に起きることには、すべてに意味があって、すべて必要なもの。誰しもつらいことはあると思いますが、そこであきらめたり、人のせいにしたり、腐ったら、おしまい。それを受け入れて、どう前に進んでいくのか。大事なのは前向きであること。そうすれば、必ず道は開けるとは思っています。そういう意味で大きく言うと、僕はポジティブですよね」

 逆境もチャンスに変えるポジティブさは、どこか主人公に重なる。大泉の熱演が今年の夏を盛り上げる。

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