遠藤久美子、結婚・出産経て生まれた変化 夫の“半自伝的映画”で好演「リアルな時間が投影されている」

[ 2019年7月5日 08:00 ]

映画「こはく」で主演の井浦新(左)の妻役を演じる遠藤久美子(C)2018「こはく」製作委員会
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 “エンクミ”の愛称で知られる女優の遠藤久美子(41)。1990年代に「人気者でいこう!」「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」などのバラエティー番組で人気となり、近年は女優業を中心に活躍している。私生活では2016年に映画監督の横尾初喜氏(40)と結婚。翌年に第1子が誕生し、先月には第2子妊娠を発表した。夫の横尾氏がメガホンをとった7月6日公開の映画「こはく」では、主人公の妻役を好演。遠藤に今作への思いを聞いた。

 今作は横尾監督の幼少時代の実体験を元にした半自伝的映画。幼い頃に別れた父を探す兄弟が「家族」や「愛」を知っていく感動の物語だ。遠藤は井浦新(44)演じる主人公・亮太の妻・友里恵として出演。劇中で亮太の子供を妊娠するという、現在の自身の境遇と重なる役柄を演じている。

 「夫の半生を基にした映画で主人公の妻を演じるということで、夫からは“そのままでいいよ”と演出を受けました。1人目の子どもの妊娠を主人に報告した時や、お義母さんから教えてもらった肉じゃがを主人につくった時など、夫と一緒に過ごしたリアルな時間が亮太と友里恵のシーンには投影されています」

 井浦との夫婦役については「ずっとスクリーンの中で見てきた方なので、最初は緊張した」と振り返る。だが、緊張はすぐに“消滅”。井浦の巧妙で繊細な演技に引き込まれ、自然体で演じることができた。

 「シーンを重ねるごとに井浦さんが井浦さんに見えなくなって…不思議な感覚でした。観察眼がすごい方で、撮影の合間にも夫とたくさん話されていましたね。井浦さんは“大きな船”のような方で、オーディションで選ばれた市民キャストの方や子役の方たちに声をかけて緊張をほぐしていました。“役者とはこうあるべき”というものを教えていただいた気がします」

 結婚、そして出産。私生活においての人生のターニングポイントとなる経験が、今作の演技に与えた影響は大きい。

 「もし、息子が生まれる前に今回の役を演じていたら、分からなかったことがいっぱいあったと思います。息子が生まれる前に母親の役を演じたこともありますが、その時は母親の気持ちを分かっているようで分かっていなかったなと今になって感じますね。“息子にとってお母さんは私一人しかいない”といった責任感は、母親の役を演じる時に、役に反映されるんだなと思いました」

 「息子はまだ2歳なので、これから未知な部分が多いのですが、反抗期の時の母親の気持ちや、息子が結婚しておばあちゃんになった時の気持ちなどは、きっとその時の役にも反映されるんだと思います。そう考えると、女優って面白い仕事ですよね」と明るく笑う。母親になった“エンクミ”の今後が楽しみだ。

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