杉良太郎 運転免許返納 74歳決断「人を死なせてしまったら取り返しがつかない」

[ 2019年6月8日 05:30 ]

鮫洲運転免許試験場で運転免許証を自主返納する杉良太郎
Photo By 共同

 俳優で歌手の杉良太郎(74)が7日、東京・鮫洲運転試験場で運転免許証を自主返納した。高齢ドライバーによる重大事故が相次いでおり「事故で人を死なせてしまったら取り返しがつかない。返納を考えるきっかけになれば」と語った。

 70歳で免許更新の講習を受けた際に「目とか手とか、危険を察知した時の反応が以前と違う」と思ったのがきっかけ。4月に東京・池袋で母子2人が死亡した高齢ドライバーの暴走事故などを受け、今年75歳になるのを機に決断した。「これぐらいの年齢になると1、2年で体の変化がだいぶ起きる。これが落とし穴。反応が鈍いと感じたら返すのが賢明かと思う」と思いを口にした。

 運転免許を取得したのは25歳。普段は運転をマネジャーに任せ、都内で運転することはなかったが、別荘がある青森ではハンドルを握った。妻で歌手の伍代夏子(57)に免許返納を相談したら「ああ、いいんじゃない」と理解を示してくれたという。

 高齢ドライバーの免許返納は大きな注目となっているだけに集まったのは60人を超える報道陣。杉は「これだけたくさんに囲まれたのは初めて」と驚きの表情を浮かべた。

 75歳以上の返納率はまだ5%と低い。「車がないと不自由な高齢者が大勢いる。返納してとは呼び掛けづらい」とも語り「地方では車がないと生活できない人がいるのが事実」とした。その上で「地方で相乗りタクシーなどの取り組みが始まっているので、免許返納の受け皿になるような対応を地方創生の一環でやってもらわないといけない」と課題を挙げた。

 警視庁によると、今年は池袋の事故後に東京都で返納が急増。5月は5759人で、統計を始めた2014年以降、月間最多となった。

 ≪バスなど割引 運転経歴証明書≫杉は免許証を返納して「運転経歴証明書」を受け取った。運転免許証の自主返納は1998年に制度化された。証明書は返納すると交付されるもので「この証明書を見せるとバスやタクシーが割引してくれるし、コンビニの宅配サービスを割引してもらえる特典もある」とPR。免許証に代わる公的な本人確認書類として用いることができる。

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