大竹しのぶ「パワーあふれる作品に」 笑いと涙の「三婆」7月博多座で

[ 2019年6月4日 16:27 ]

大人気喜劇「三婆」で共演する(左から)キムラ緑子、大竹しのぶ、渡辺えり(撮影・岡田 丈靖)
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 7月1日から福岡市の博多座で上演される「三婆」に女優の大竹しのぶ(61)、渡辺えり(64)、キムラ緑子(57)が主演する。1961年に発表された有吉佐和子の小説が原作。3人の女性による奇妙な共同生活を描く人気喜劇だ。このたび大竹ら3人が福岡を訪れ、見どころを語った。

 3人の実力派女優が博多座に初登場する。大竹は「とにかくパワーあふれる作品にしたい。笑って泣ける芝居をつくります」と宣言。渡辺は「仕事に疲れたあなたに笑ってほしい」と話し、キムラは「見どころは私たち。精いっぱい演じたい」と熱演を約束した。

 1961年に発表された有吉佐和子の同名小説が原作。73年に初めて舞台化されて以降、何度も再演された名喜劇だ。大竹ら3人は16年に初めて作品に臨み「劇場が笑いの渦で素晴らしい笑いのパワーを私たちが逆にいただいた。笑うって凄いことなんだな」と魅力を肌で感じたそうだ。

 物語は金融業者の武市浩蔵が本妻の松子(大竹)を残し他界するところから始まる。松子が残された家に故人の妹、タキ(渡辺)が登場。さらに駒子(キムラ)も料理屋を開業するまでの期間、部屋を貸してほしいとやってきて奇妙な共同生活が始まる。

 お互いが内心では“たくらみ”を持っており、「場面ごとに、コロコロ変わるのがゲーム的で楽しいところ」とキムラ。さまざまな人を巻き込み、味方につけたり時にはケンカをしたり、一筋縄ではいかないやりとりを繰り広げる。渡辺は「ケンカのシーンは本気でするのでケガのないようにしたい」と楽しみにしている。

 特に紆余(うよ)曲折を経てタキと駒代が松子の家を出て行くことになるシーンは見逃せない。松子は喜びと同時に孤独感にさいなまれ、2人にある提案をする。「喜劇の裏にあるちょっとした悲しみや人生が皆さんの胸に届くように誠実に演じたい」と大竹は思い描く。渡辺もこの場面がお気に入り。世の中には80~90代まで長生きしている女性が増えているとし「自分の人生を振り返って泣くようなシーンになるんじゃないかな」と話した。

 クライマックスでは大竹ら三婆が80歳になる。くしくも世の中では老人福祉問題が話題になっていた。笑い満載の中に三婆は何を見つけたのか。老いとは、生きるとは何か――。考えさせてくれる作品だ。

 ▽公演情報 7月1日から8日まで。上演予定時間は休憩を含めて昼の部は約3時間20分。夜の部は3時間5分。観劇料はA席が1万3500円、特B席が1万円、B席が7000円、C席が4000円(全て税込み)。電話での購入・問い合わせは博多座電話予約センター=(電)092(263)5555、(午前10時~午後6時)。ホームページや各プレイガイドでも購入できる。

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