相手が一枚上?「君の名は。」「天気の子」の川村元気氏 阿川佐和子氏に脱帽「すごいキラーパス」

[ 2019年6月2日 03:25 ]

 「君の名は。」など大ヒット作を連発する映画プロデューサー、川村元気氏(40)と作家・エッセイストの阿川佐和子氏(65)が1日放送のNHK Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」(土曜後10・00)で対談、「仕事術」から「恋バナ」まで本音で語り合った。

 当代随一のヒットメーカーとして知られる川村氏は26歳で映画「電車男」をプロデュースし、その後も「モテキ」「告白」などを製作。3年前の劇場アニメ「君の名は。」は250億円を超える興行収入を記録した。7月公開の、新海誠監督(46)と再びコンビを組んだ「天気の子」(東宝系)も話題沸騰中で、作家としても「世界から猫が消えたなら」「億男」などのベストセラーを発表している。

 対談では、「聞き名人」の阿川氏に向かって「僕も取材魔」と質問攻めにするつもりだった川村氏。「恋バナを聞くのが好き」という川村氏は「たいてい、人生で吐くくらいつらかった恋愛の1日を聞かせてくださいという質問をしますね」と切り出し、「阿川さんにもあるでしょ」と水を向けた。

 すると、阿川氏から「川村さんは?やっぱりあるよね」とスパッと切り返され、「もちろん…ありますよね」と認めてしまった。こうなると、流れから話をしないわけにいかなくなった川村氏は「なんでこうなるの?すごいキラーパス」と阿川氏の“聞く力”に脱帽した。

 川村氏は20代のころ、「けっこう長く付き合っていた恋人」がいたが、別の女性が「ジャンプ・イン」してきたという。「奔放な方で惑っちゃった。向こうも付き合っている人がいたが、お互い別れて付き合おうという話」になった。川村氏は、なかなか恋人に別れを切り出せなかったが、「向こうはスポンと別れてきた」。

 だが逆に、こうした「アグレッシブ」な彼女の人柄が、川村氏には「どんどん重たく」感じるようになり、彼女と会ったとき、「付き合えない」と正直に告げた。

 場所は、都内有数のおしゃれな街「表参道」だったが、彼女は人目もはばからず号泣した。「これはヤバイ、ヤバイ…」と川村氏も困惑したが、かつて誰かに「人間は緩やかに下り坂を下ると気持ちが落ち着く」と聞いたことを思い出した。表参道から原宿に向かって、2人で緩やかな下り坂を歩いた。彼女も徐々に落ち着きを取り戻したかのように見えたので、タクシーで帰ろうとすると…。

 彼女が「イヤ!」と絶叫する。振り切るように川村氏は車道の向かい側に停まっていたタクシーに乗ろうした。

 ゾンビのように後ろから追いかけてきた彼女は「そんなに私、重いかな。あなたが好きな映画、音楽とか、全部言うとおりにするから」とすがりついてきたという。

 川村氏は「“モテキ”にはそのままそのセリフを使った」と振り返り、阿川氏は「無駄にしないな」と感心していた。

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2019年6月1日のニュース