STU48 船上劇場公演初日で“様式美”崩した 選抜経験ない14歳が「フライングゲット」センター

[ 2019年4月16日 19:40 ]

横一列に並び笑顔を見せるSTU48
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 AKB48の姉妹グループで、瀬戸内7県を拠点に活動するSTU48が16日、広島市の広島国際フェリーポートに停泊中の劇場船STU48号で、船上劇場公演「GO! GO! little SEABIRDS!!」の初日を迎えた。

 「THE CONVOY SHOW」の今村ねずみ氏が演出を担当した公演は、48グループの「様式美」を崩す演出から始まった。場内後方から現れた水色の布が、客席全体を覆うようにかぶされ、布が外されるとステージ上にメンバーが現れているという、前代未聞の仕掛けだった。

 「STUならではのショーにしたかった」という今村氏の意図通り、通常は曲の終了後に行う自己紹介も、「恋するフォーチュンクッキー」のギターアレンジ版に乗せてリズミカルに進行した。髪をSTU48カラーの青に染めた岡田奈々(21)は「今日に合わせて、髪をセルフで染めてきました。青い汗をかいて頑張ります!」とあいさつし、大歓声を浴びた。

 中盤には瀬戸内海にちなみ、「島唄」「海へ来なさい」など、海をテーマにした楽曲を歌った。「島唄」では瀧野由美子(21)がサックスを、「瞳を閉じて」では兵頭葵(18)がピアニカをそれぞれ演奏。「街の灯り」では中村舞(20)がバレエダンスを披露するなど、それぞれが特技を見せる場面もあった。「新しい私を見て下さい」という中村の宣言通りのパフォーマンスに、瀧野は「舞Q(中村)のバレエはすごい。私と葵ちゃんはコンサートでやったことがあるけど、舞Qのバレエは初めて見た」と絶賛した。「亜麻色の髪の乙女」では、甲斐心愛(15)がコミカルにウクレレを演奏し、会場をほっこりした雰囲気に包んだ。

 歌唱中の立ち位置も、既存の序列にとらわれない、今村流だった。序盤の「フライングゲット」でセンターを務めたのは、選抜経験のない中学3年生の森下舞羽(14)。今村氏は「スタッフさんも秋元(康総合プロデューサー)さんも、選抜メンバーを教えてくれなかったんですよ」と笑いつつ、「ロング(長期間の公演)に耐えられる子、とにかく『何が何でもやるんだ』と、(チャンスを)取りに来ているような子から選ばせてもらった」と説明した。

 劇場船は当初、17年夏に完成予定だったが、2度の延期を経てようやくこの日、オープンの日を迎えた。シングル発売も2度、延期されるなど、活動が思うようにいかない時期も長かった。瀧野は「まずは皆さん、本当にたくさんお待たせしました。私たちのグループは延期をすることが多く、不安もありました」と涙で心情を吐露した。その上で、「最後までこうして頑張ってこられたのは、いつも待ってくれている皆さんがいるからです。ダンスがどんなに下手でも、歌が下手でも、そんな私たちも好きだよと言ってくれる皆さんがいたからです」とファンに感謝した。岡田も「目の前のことを一生懸命に頑張れるSTU48が大好きです。こんなグループのキャプテンを務められることを誇りに思います。これからも全員で手を取り合って、夢を見て、そして夢をかなえていきたい」と誓った。

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