“セレブ薬物”コカイン 海外では芸能人に使用者多く 欧米では覚醒剤よりメジャー

[ 2019年3月14日 05:30 ]

ピエール瀧容疑者 コカイン逮捕

移送されるピエール瀧容疑者
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 コカインは海外では「セレブドラッグ」と呼ばれ、芸能人らの間に広がっていることで知られる。南米に生育する「コカ」という葉からしか抽出されないため、国内の流通量が少なく値段も高い。押収量も少ない。白色の粉末で鼻からパイプなどで吸引するのが一般的だ。

 使用すると強烈な高揚感を得て眠気や疲労感がなくなったように感じるが、大麻や覚醒剤に比べ、持続時間が数十分と短い。そのため「またすぐ使いたくなり乱用につながりやすい」(元麻薬取締官の高濱良次氏)という。成分が体内に残る期間も覚醒剤の約10日間に対し、数日間と短いため、今回早めに尿検査に踏み切ったとの見方もある。

 同じ麻薬系のヘロインとの違いは、コカインは神経の興奮作用(アッパー系)でヘロインは抑制作用(ダウン系)という点。乱用すると「蟻走(ぎそう)感」という皮膚の中を虫が動き回っているような幻覚・不快感に襲われ、体をかきむしるようになる精神障害も引き起こす。

 多くの薬物鑑定などを手がけた雨宮正欣法科学研究センター所長によると「アジアでは覚醒剤のほうが押収量も多く“メジャー”だが、欧米ではコカインのほうが多く使われている」という。

 瀧容疑者は電気グルーヴとして1998年にドイツのベルリンの音楽祭で100万人を前に演奏したのを皮切りに、欧州で音楽祭やライブに出演。昨秋もベルリンで行われたテクノイベントに参加していた。「海外のテクノイベントは出演者にも来場者にも薬物を使用している人が多い」(音楽関係者)といい、雨宮氏は「そういう意味では若いときから覚醒剤よりコカインに親和性があったのだろう」と指摘する。

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