ピエール瀧容疑者、コカイン常習か…昨秋から内偵で逮捕 大河出演シーン全カットも

[ 2019年3月14日 05:30 ]

移送されるピエール瀧容疑者
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 コカインを摂取したとして麻薬及び向精神薬取締法違反(使用)容疑で、ミュージシャンで俳優のピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)が逮捕されてから一夜明けた13日、出演作品の関係者は対応に追われた。NHK大河ドラマ「いだてん」は既に3カ月先の放送分まで撮影されており、担当者は出演場面の取り扱いを巡って協議を続けた。一方、瀧容疑者がコカインを常習的に使っていた可能性が浮上した。

 名バイプレーヤーの逮捕に、出演するドラマや映画などの関係者は、作品の取り扱いに関する対応に追われた。特に大激震が走っているのがNHKだ。

 瀧容疑者は大河ドラマ「いだてん」に、主人公・金栗四三に足袋を提供する足袋屋の主人役で出演中。事件を受け、NHKは13日午後に番組公式サイトから瀧容疑者の名前と写真を削除した。放送の継続も決めたが、瀧容疑者の出演場面の取り扱いなどに関しては「検討中」と結論を出せないままだった。

 働き方改革の一環で昨年の「西郷どん」よりも3カ月早くクランクイン。撮影は約3カ月先の放送分まで進行している。関係者は「編集作業で出演シーンをカットすることや、代役を立てての撮り直しなど、あらゆる方法を検討している」と明かした。

 一方で関係者は「出演シーンをカットすると話が続かなくなる恐れがある」と説明。瀧容疑者の降板は避けられない状況だが、代役を立てるにしても「3カ月分の瀧容疑者の場面を撮り直すのは簡単なことではない」とし、頭を抱えている。

 横浜市内のスタジオではこの日も撮影が行われた。主演の中村勘九郎(37)をはじめ、生田斗真(34)や役所広司(63)らが出演する運動会シーンで、物語中盤の重要な局面。瀧容疑者も出演予定だった。

 所属事務所はこの日「深くお詫(わ)び申し上げます」とコメントを発表。瀧容疑者の処遇については「捜査の進捗(しんちょく)を見守りつつ厳正に対処する」とした。15、16日に都内で予定していたテクノバンド「電気グルーヴ」の公演は中止。相棒の石野卓球(51)はコメントをせず、関係者は「コメントできる段階にない」と話した。

 事件を巡っては、麻薬取締部が半年前から内偵捜査を進めていた。「違法薬物を使用している」との情報をもとに行動確認。使用の疑いが強まったため、12日午後6時ごろ、都内の自宅や車を家宅捜索。その後の尿検査でコカインの陽性反応が出たため緊急逮捕した。逮捕までの数日以内に摂取した可能性が高い。

 本人の部屋からコカインは見つからなかったが、細く丸められた状態の韓国のウォン紙幣を押収。これをストローのように使って鼻から吸引した可能性がある。映画などに登場するコカイン吸引方法で、元麻薬取締官の高濱良次氏は「最近使い始めた人の吸い方ではない。常習性が疑われる」と指摘した。

 麻薬取締部が半年間の内偵で家宅捜索に踏み切ることができたのも「常習性があったから」(捜査関係者)。国内で押収量が少ないコカインを使用している理由として海外に注目。電気グルーヴが度々公演を行ってきた海外でコカインはポピュラーな存在である中で使い始め、相当な長期にわたって使用しているとみて内偵捜査していた。

 押収した紙幣にコカインが付着していないかどうか鑑定も進める。瀧容疑者は13日午前3時半ごろ、東京都千代田区の麻薬取締部から勾留先の警視庁東京湾岸署に移送。車両の最後列で、目を閉じてうつむいていた。14日には東京湾岸署から送検される予定で、入手経路や使用状況などの解明が待たれる。

 《常習者の特徴「鼻グシュグシュ」》瀧容疑者の仕事仲間は「鼻をグシュグシュ鳴らすことがあった」という。元麻取の高濱氏によると「コカイン常習者の特徴は鼻。鼻から吸引するのが一般的なため鼻の粘膜がボロボロになる」。麻取の行動確認の中に瀧容疑者のこういった特徴も「常習」を疑う判断材料の一つになった。

 ◆ピエール瀧(ぴえーる・たき)本名瀧正則(たき・まさのり)1967年(昭42)4月8日生まれ、静岡県出身の51歳。89年に石野卓球らと「電気グルーヴ」を結成し、91年にメジャーデビュー。俳優としても活躍し、映画「そして父になる」(13年)などに出演。14年にブルーリボン賞助演男優賞を受賞。17年には映画「アウトレイジ 最終章」に出演。今年一年限定でグループでの活動名を結成当時の「ウルトラの瀧」に戻していた。 

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