ピエール瀧容疑者逮捕の損害5億円超 過去最高…映画、CM続々降板

[ 2019年3月14日 05:30 ]

ピエール瀧容疑者 コカイン逮捕

「アウトレイジ 最終章」初日舞台あいさつに臨む瀧容疑者(左から2人目)
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 ミュージシャンで俳優のピエール瀧容疑者(51)の逮捕を受け、映画会社やCM契約を結ぶ企業が13日、続々と降板を決めた。多ジャンルに引っ張りだこの売れっ子だっただけに、撮り直しや配信停止などに伴う損害賠償額は、芸能界史上最高額に上る公算が大きい。

 瀧容疑者は声の出演も含め、今年公開の映画4本に出演予定だった。スポニチ本紙の取材によると、そのうち「居眠り磐音(いわね)」は出演部分を撮り直すことを決め、「ロマンスドール」は対応を協議中。また、ディズニー映画「アナと雪の女王」の人気キャラクター「オラフ」の声優を務めていたが、続編「アナと雪の女王2」で交代することが発表された。

 テレビ各局も対応協議に追われた。NHKは大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」を含めたドラマ6作について、NHKオンデマンドでの配信停止を決定。大河ドラマは出番の多いキャストと出演契約書を交わすが、その中には損害賠償についての条項もあるという。大河の制作費は1本6000万円と言われており、及ぼす影響によっては、巨額賠償になる公算が大きい。

 本業のユニット「電気グルーヴ」が15、16日に予定していた、ツアーの東京公演も中止が発表された。チケットは全額払い戻しで会場の使用料を含めると、損害額は約1000万円に上る。また瀧容疑者に関連するCDや映像商品の出荷を停止し、店頭在庫を回収することも発表された。

 住宅設備大手「LIXIL」も、瀧容疑者がキリギリスに扮して出演するCMの放送中止を発表。新たに決まっていた大手飲料メーカーのCMも中止に。

 広告代理店関係者は「強制性交罪で逮捕、起訴された新井浩文被告の損害賠償は億単位に上ったが、大河ドラマやCMが絡む今回は新井被告を上回る額になるだろう」と指摘。ドラマ、CM、映画撮り直しを含め、賠償金が計5億円を超える可能性もあるといい「芸能史上最大になるのでは」との見方もある。

 《熊本大河ドラマ館にも影響》NHK「いだてん」をPRする熊本県玉名市の「いだてん大河ドラマ館」は、展示物を覆って隠すなど対応に追われた。主人公金栗四三の地元で、施設を運営する同市によると、瀧容疑者が演じる足袋職人「黒坂辛作」のパネルや、ドラマの内容を紹介する展示物の一部にポスターを張って覆ったほか、本人によるサイン色紙を撤去。同市の金栗四三PR推進室は瀧容疑者の逮捕について「率直に残念だ。NHKと協議した上で、今後の対応を考えたい」とコメントした。

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