渡辺2冠に将棋漫画作者の星野氏「“王”という肩書きの方に初めてお会いしました」

[ 2019年3月12日 21:41 ]

監修する将棋漫画「宗桂~飛翔の譜~」(リイド社)の第1巻発売記念トークショーに出席した渡辺明2冠(右)。左は作者の星野泰視氏
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 将棋の渡辺明2冠(34=王将、棋王)が12日、東京・神保町の書泉グランデで開催された将棋漫画「宗桂~飛翔の譜」(リイド社)の第1巻発売記念トークショー・サイン会に出席し、作者の星野泰視氏(50)とともに作品のみどころなどを紹介した。

 「宗桂」は江戸時代、将軍家の指導役を務めた8世名人「九代目大橋宗桂」の生涯を描いた作品。棋譜の再現を担当する渡辺は「江戸時代の将棋の知識はほぼゼロだったので、当時の資料や棋譜集を一通り見て勉強した」という。「将棋漫画を読むとき僕はまず駒台に目が行くんですけど、調べると駒台ができたのは1900年ごろ。だからこの作品に駒台は描かれていないんです」など、将棋ファンならではの見どころを指南した。さらに「比較的堅い題材だけど、キャラクターやセリフに笑えるところが多い。妻(めぐみ夫人)も漫画(「将棋の渡辺くん」)を描いているけど、漫画も勝負の世界で生き残るのも大変。面白かったらぜひ周囲の方に薦めて」とアピールした。

 将棋はあまり詳しくないながらも、渡辺の実績は知っていたという星野氏は「監修をお願いすると聞いたときは、冗談だと思っていた。なぜ今こうして2人で並んでいるのかも分からない」と感慨深げ。実際に会って仕事をした印象を「人の懐に入ってくるのがお上手な方。“王”という肩書きの方に初めてお会いしました」と話して笑わせた。今年1月には、渡辺が挑戦者としてタイトルを奪取した王将戦7番勝負の第1局(掛川市)を取材で訪問。「息が詰まるような緊張感。なぜあの場にずっといられるのか不思議でした」と感心していた。

 同作品の第1巻は13日に発売される。渡辺は17日、2勝1敗と防衛に王手を掛けている棋王戦5番勝負の第4局に臨む。

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2019年3月12日のニュース