ジャニーズ初バーチャルアイドル登場で感じた素朴な疑問 アイドルの魅力とは

[ 2019年3月1日 09:30 ]

 ジャニーズ事務所が初めて手がけたバーチャルアイドルが話題を呼んでいる。簡単に言えば“絵に描いたアイドル”。アニメのように声を事前に吹き込むのではなく、CGのアイドルが踊ったり、動きと連動してしゃべったりできる。2月19日の会見では、関西ジャニーズJr.の「なにわ男子」に所属する藤原丈一郎と大橋和也と連動するキャラクターに報道陣から感嘆の声が上がった。

 バーチャル事業には距離と時間の制約を超えられるという利点がある。従来のアイドルなら身体はひとつしかないが、バーチャルアイドルは、パソコンやタブレットを介すればどのファンのもとにも即座に行ける。アイドルビジネスの新形態が生まれていく、力強い胎動が感じられる。

 一方で素朴な疑問もあった。生身のアイドルって、そもそもマネのできないルックスの良さが最大の財産。声が素敵な人や話が面白い人、ダンスがうまい人はたくさんいる。いわば姿を隠した状態のアイドルが、どう勝負していけるのか。

 しかし、そんな浅い心配は無用とばかり、19日に開始した動画配信も絶好調という。アイドルというのは、見た目だけではないということだろう。

 たくさんの芸能人を取材してきた中、ジャニーズのアイドルに共通するのは、年齢を問わず誰もが、自分だけの華やかなオーラを持っていること。歌い踊り、トークしているのはCGだが、その向こう側にいるアイドルのカッコ良さは、消費者に強烈に伝わっているのだろう。たとえバーチャルの姿を借りていても、アイドルの魅力は変わらないということを実証した格好だ。

 ネットの発達に伴って、事務所に入っていない人物の活躍や、テレビ番組をしのぐ人気を集める動画の存在も目立つようになった。そんな中で「本家本元のアイドル」がどんな輝きを放っていくのか目が離せそうにない。(記者コラム)

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2019年3月1日のニュース