「いだてん」視聴率 第2話で下落の要因 そもそも「全体のパイ」が縮小 3連休の中日の影響か

[ 2019年1月20日 15:00 ]

大河ドラマ「いだてん」(C)NHK
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 NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(日曜後8・00)の視聴率が話題になっている。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 第1話(1月6日)=15・5%→第2話(1月13日)=12・0%と大幅3・5ポイント減。“急落”の要因が、さまざまな角度から分析されている。

 大河ドラマ58作目。2013年前期の連続テレビ小説「あまちゃん」で社会現象を巻き起こした脚本家の宮藤官九郎氏(48)が大河脚本に初挑戦。オリジナル作品を手掛ける。日本が五輪に初参加した1912年のストックホルム大会から64年の東京五輪まで、日本の激動の半世紀を描く。

 20年の東京五輪を控え、テーマは「“東京”と“オリンピック”」。「日本のマラソンの父」と称され、ストックホルム大会に日本人として五輪に初参加した金栗四三(かなくり・しそう)が前半の主人公だが、有名な戦国武将などに比べれば、明らかに知名度は低い。86年「いのち」以来33年ぶりの“近現代大河”は、従来の大河ファンを逃したという見方が大勢。

 2つ目の理由としては、四三(中村勘九郎)の明治パートと、四三の話(噺)を後世の古今亭志ん生(ビートたけし)が語る昭和パートが行き来するストーリー展開。これが複雑という感想も多い。

 この2つの要素も当たっているとは思うが、ただ、もう1つの可能性を指摘しておきたい。「HUT」と呼ばれる「総世帯視聴率」に注目する。一般的に使われる「視聴率」とは「リアルタイムの世帯視聴率(テレビ所有世帯のうち、どのくらいの世帯がテレビを視聴していたかという割合)」を指すが、HUTは「調査対象となる世帯全体で、どのくらいの世帯がテレビ放送を放送と同時に視聴していたかという割合」。つまり、HUTが50%の場合、関東地区の視聴率調査対象900世帯のうち、テレビを視聴していたのは450世帯ということになる。「全体のパイ」とも言える。

 「いだてん」放送中のHUTを見ると、第1話=66・4%→第2話=61・0%と大幅5・4ポイント減。13日は3連休の中日とあってか、そもそもテレビを視聴している人が少なかった。これが「いだてん」“急落”の要因になった可能性がある。

 横並びを見ても、番組や放送時間こそ違えど、日本テレビは6日「世界の果てまでイッテQ!2時間SP」=16・0%→13日「行列のできる法律相談所 3時間SP」=14・8%と数字を落としている。占拠率(該当する局の視聴率が放送全体の視聴率に占める割合=シェア)は偶然、6日の「イッテQ」も13日の「行列」も22・6%。シェアが同じなのに、視聴率が下がっているのは「全体のパイ」が小さくなったため。

 「いだてん」の占拠率は第1話=21・2%、第2話=18・6%。「全体のパイ」が小さくなった上に占拠率も下がったため、視聴率の下落率も大きくなった。

 「全体のパイ」は天候(在宅率)などに左右されることもあるが、それはそれとして、今後も「いだてん」はある程度の苦戦が予想される。昨年10月にレギュラー化されたテレビ朝日「ポツンと一軒家」(日曜後7・58)が年配層の視聴者を獲得しているからだ。

 日本の人口ピラミッドの通り、そもそも人口の少ない若年層がたくさん見ても世帯視聴率には反映されにくく、人口の多い年配層が見ると世帯視聴率は伸びやすい。若者に支持された昨年10月クールの日本テレビ「今日から俺は!」(日曜後10・30)の視聴率が第6話まで1桁8〜9%台で推移したのが好例。「ポツンと」の視聴者は「F4」(65歳以上女性)「M4」(65歳以上男性)の層が大半を占めている。

 大河ドラマの最大のライバルは日テレ「世界の果てまでイッテQ!」(日曜後7・58)だったが、大河ドラマも「F4」「M4」層に支えられており、もう1つのライバル「ポツンと」と視聴者を奪い合うことになる。「いだてん」は、どこまで新規の視聴者(市場)を開拓できるか。実在した日本最初のスポーツ同好会「天狗倶楽部」などインターネット上の反響は大きい。今後の推移を見守りたい。(記者コラム)

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