「今年の新語」ゲスト北川悦吏子氏 「半分、青い。」佐藤健の“わかりみ”に喜び 辞書編集に興味も

[ 2018年12月5日 22:05 ]

「今年の新語2018」選考発表会にゲスト出演した北川悦吏子氏(左から3人目)(C)三省堂
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 NHK連続テレビ小説に初挑戦した「半分、青い。」(今年4〜9月)が反響を呼んだ脚本家の北川悦吏子氏(56)が5日夜、東京・渋谷の東京カルチャーカルチャーで行われた「今年の新語2018」選考発表会にゲスト出演した。

 辞書の三省堂が2015年から選定。16年からイベント形式となり、16年は明治大学紫紺館(ゲスト=伊集院光)、17年は一橋大学一橋講堂(ゲスト=水道橋博士)で開かれたが、今回は初の有料イベントに。女性のゲスト、脚本家のゲストも北川氏が初となった。

 今年のベスト10は以下の通り。大賞=ばえる(映える)、第2位=モヤる、第3位=わかりみ、第4位=尊い、第5位=VTuber、第6位=肉肉しい、第7位=マイクロプラスチック、第8位=寄せる、第9位=スーパー台風、第10位=ブラックアウト、選外=半端ないって、そだねー。

 発表は第10位からカウントダウン形式。北川氏は選考委員とトークを繰り広げた。

 第4位「尊い」は「(アイドル・キャラクターなどが)とても美しくて、いとおしい(と思わせる様子だ)」という意味。「こういう意味で使われることは?」と水を向けられると、北川氏は「使い方はもっと広いですよね。おもしろい漫画などに対しても言いますし。こういうふうに国語辞典に書いているんですか?」と逆質問。選考委員が「これから書こうかなというところです」と返すと、北川氏は「凄く自由なんですね。私も何かの言葉の意味を書いてみたい」と辞書編集に興味を示した。

 第3位「わかりみ(分かりみ)」は「理解できること。共感できること。また、その度合い。接尾辞『み』は本来『赤み』『面白み』『新鮮み』のように、一部の形容詞・形容動詞の語幹にのみ付くものであったが、『つらみ』『尊み』のように『つらさ』『尊さ』と接尾辞『さ』しか付かない形容詞語幹へも広がった。『分かりみ』は、それがさらに動詞の連用名詞形にまで広がったもの」と語釈。

 北川氏にとっては「1位にしたいぐらい、大好きです」というお気に入りの言葉。1年半にわたった「半分、青い。」の執筆中、インターネット上で見つけたといい「ちょっと遠くに置く感じがします。『分かる』と主体的に言うことを、名詞にすることによって『わかりみ』というものが、あたかも、そこにある。凄い言葉、おもしろい言葉だと思って、次の日、娘に『わかりみが過ぎる』って言うらしいよと教えたら『バカっぽい』と返されて、ちょっとショックでした」と苦笑い。

 それでも「半分、青い。」でヒロインの“運命”の幼なじみを演じた俳優の佐藤健(29)とLINEで会話をしていた際に「NHKって、ああだよね、こうだよね」とメッセージを送ると、佐藤からは「わかりみ」と返答があったと“秘話”を披露。「本当にちゃんと使われてるじゃん、しかも佐藤健に、とうれしくなりました」と笑って振り返った。

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