坂上忍、こだわりの「ねちねち」料理 小3で覚えた自炊 味付けも司会も段取りが命

[ 2018年12月4日 11:00 ]

フライパンとフライ返しを手に笑顔を見せる坂上忍
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 365日、テレビで見ない日はないほど多忙な日々を送る坂上忍(51)は毎日の自炊を欠かさない。自他共に認めるほどの几帳面(きちょうめん)な性格で世間のイメージ通り「ねちねち作るのが大好き」とこだわりだらけ。常に本音で核心に迫る話術も、まるで切れ味鋭い包丁のよう。坂上らしい味付けのメソッドが、料理にも番組にもキラリと光る。

 ◆買出しが楽しい

 愛犬の散歩を終えると朝食の準備が始まる。クレソンを2〜3センチほどに切り、生ハムをちぎって振りかける。自家製ドレッシングには、オリーブオイルと塩こしょうを混ぜて隠し味にガーリックパウダーを少々。最後にさっとレモンを搾って完成だ。前日に余ったカルボナーラとパンを添え、この日の朝食が整った。その間わずか10分。夕飯用におでんを仕込むと、今日も生放送に出演するため家を出る。

 「最近は会食も2週間に1回くらいしか行かないので、基本的には毎日自炊です。料理をしていて一番楽しいのが買い出し。まとめて買うタイプ。数日たつと野菜などが傷むので、冷蔵庫の中を整理しようとする日があるんですよ。どうしたら食材を無駄にせず料理できるかを考えたりして、その時が楽しいですよね」

 ◆金子信雄さんが“師匠”

 初めて料理を覚えたのは小学3年生の時だった。「両親が共働きだったので、いつもお米が大量に炊かれて作り置きされていました。翌日になると米が黄色くなって、においも出てくるし、それがどうしても食べられなかった。だから自分で米の炊き方を覚えて、それから自炊するようになりました」。16歳で一人暮らしを始めてからは、作り過ぎた肉じゃがをコロッケにしたりなど我流でアレンジすることも覚えていった。レシピを学ぶために特に好んで見ていたのが、当時放送されていた料理番組「金子信雄の楽しい夕食」。「金子さんは俳優なのに異常に料理が好きな方で、それが面白くて大好きでした。当時はクックパッドもなかったので、番組で料理方法とかを勉強していましたね」

 ◆タオル一日50枚超

 タオルを1日に50枚以上使うなど芸能界一の几帳面。当然、料理にもその性格は表れており、目玉焼きでさえ徹底的にこだわり抜く。「網ざるに卵を割って落とすんです。2〜3分置くと古い白身だけがポタポタ落ちて、生きの良い白身が残るんです。それをフライパンの上に移してねちねち熱を加えると、ホテルの朝食みたいな高さのある目玉焼きができるんです」と“坂上流”が光る。調味料も最初から適量を入れるのではなく、まずは必ず若干少なめを投入。自分の舌で「やっぱりもうちょっとだな」と確認してから改めて理想の味付けへと調整する。「大ざっぱな“男の料理”ではなくて、僕の場合は神経質な料理です」と笑う。

 調理器具にもこだわりがある。中でも欠かせないのが番組スタッフから誕生日プレゼントにもらった名前入りの包丁。「最初は具材ごとに専門の道具を買っていたりもしていたんですが、突き詰めると包丁一本で何でもできるんです。キッチンの収納にも良いですしね」。使っては研ぎを繰り返し、小さくなるまで使い続けるのがこれからの夢だ。

 ◆レギュラー8本目

 現在は、月〜金曜はフジテレビ「バイキング」に生出演。10月からは、地上波では計8本目のレギュラー番組となる同局の新番組「坂上どうぶつ王国」のMCを担当している。ズバッと思ったことを言い切る普段の姿とは打って変わって、動物と戯れる優しい笑顔も見せている。テレビで見ない日はないほどの超売れっ子だが「料理をする人にとって、料理は面倒にならないんですよ。簡単に済ませようと思えばいくらでも簡単にできるのでね」とサラリと言ってのける。

 実は番組進行も料理が役立っている。「冷蔵庫を開けて何かを食べようと思ったら、その瞬間に最短で完成させるまでのシミュレーションをしています」。しっかりと段取りを計算する頭の使い方は司会業でも同じだ。「例えば『バイキング』だったら、残り3分でこのネタを終わらせて、この部分だけは専門家に聞いて…。あのゲストがあまり話していないから振ってあげて…。3、4つのことを常に同時に考えていますね。それが小学3年生から染みついているんですよ」

 多種多様な番組に出演する中でも常に頭にあるのは坂上らしい細やかな気配り。番組出演者たちをおいしく仕上げて、番組をスマートに“料理”する。その様子は、一流コックそのものだ。

 ≪動物大好き 新番組は無心≫ 10月から始まった新番組「坂上どうぶつ王国」(金曜後7・00)は「動物の世話をしながら晩年を過ごしたい」という坂上の思いをくみ取る形で企画がスタートした。番組進行について「いつもは次に話すコメントなどを考えながらVTRを見ているけれど、この番組の時はそんなことは全く考えていないんです。ただただ“可愛いな…”と思って見ていますね」とニヤリ。今後は人間と動物が共生できる“王国”づくりというドキュメンタリー要素も増えていき「“本当に王国をつくるんだな”とロケしながら改めて思います」と気を引き締めている。

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