赤木春恵さん死去 ピン子、卓造ら“渡鬼ファミリー”が追悼

[ 2018年11月29日 14:42 ]

橋田壽賀子氏(左)と泉ピン子
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 女優の赤木春恵さんが29日、午前5時7分に府中市内の病院で心不全のため94歳で亡くなった。赤木さんの訃報を受け、赤木さんが1990年から2013年まで出演したTBSのドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の共演者らが同局を通じて追悼コメントを発表した。

 プロデューサーの石井ふく子さん(92)は「私がTBSに入って以来、60年のおつきあいになります。当時赤木さんは映画のお仕事が多く、森光子さんの紹介で日曜劇場に出演していただいたのが最初です。『渡る世間は鬼ばかり』では1990年10月のスタートから2013年6月放送の単発シリーズまで計500回以上出演していただきました。最初のころは泉ピン子さんや角野卓造さんがまだ若く、赤木さんはまさに『幸楽の支え』でした。私は赤木さんのことを『赤木ママ』と呼び、公私にわたり親しくさせていただきましたが、自分の母親のことも『ママ』なんて言ったことはありません。『ママお願い』って何でも引き受けていただいた赤木さんともう仕事ができないと思うととても寂しいです」と悼んだ。

 脚本の橋田壽賀子さん(93)も「赤木さんは私より一歳年上で、彼女が元気でいらっしゃる間は私も元気でいられると思っていました。50年近く前熱海に住まいを移した頃、偶然にも赤木さんが近くにお家を建てられて、それから親しく仕事をさせていただきました。赤木さんの優しい人柄に接したおかげで、彼女の役を深く掘り下げて書くことができました。優しさと厳しさを同時に表現できる稀有な女優さんです。もうこんな俳優さんは出てこないと思います。とても残念です。謹んでご冥福をお祈り申し上げます」と哀悼の思いを伝えた。

 泉ピン子(71)は「『おんな太閤記』から『渡る世間は鬼ばかり』まですべてご一緒でした。最近はお姿を見かけることが少なくなり、どうされているかと心配しておりました。今までのドラマの再放送を見て、元気な赤木ママの姿と当時のことを思い起こしています。作品が思い出です。心からお悔やみを申し上げます」と「ママ」への思いを記した。ドラマで赤木さんは泉のしゅうとめを演じた。

 ドラマで赤木さんの長男を演じた俳優の角野卓造(70)は「本当の母親のような存在でした。テレビはもちろん、舞台の時には、いつも赤木ママの楽屋でご飯を食べさせてもらったり、優しく気にかけてくださいました。出来の悪い息子で申し訳ありませんでした。心よりご冥福をお祈りいたします」と悼んだ。

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