大杉漣さん最後の主演映画「教誨師」誕生日の27日、故郷の徳島県小松島市で試写会 

[ 2018年9月26日 11:00 ]

大杉漣さん最後の主演映画「教誨師」の1場面(C)「教誨師」members
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 今年2月に急逝した俳優・大杉漣さん(享年66)の唯一のプロデュース作にして最後の主演映画となった「教誨師(きょうかいし)」(監督佐向大、10月6日公開)の特別先行試写会が大杉さんの誕生日の27日、大杉さんの故郷・徳島県小松島市で開かれる。

 「教誨師」とは、受刑者の心の救済に努め、改心へと導く民間の篤志の宗教家。大杉さんが演じるのは、半年前に着任したばかりのプロテスタントの牧師・佐伯。教誨師として月に2回、拘置所を訪れ、年齢、境遇、性格も異なる6人の死刑囚と面会。独房で孤独な生活を送る死刑囚のよき話し相手、よき理解者になる。そして自分の言葉が本当に届いているのか苦悩し、死刑囚が心やすらかに死ねるように導くことは正しいことなのか葛藤しながら、佐伯自身も忘れたい過去と対峙し、己の人生と向き合う。

 一癖も二癖もある死刑囚は、心を開かない無口な男・鈴木(古舘寛治)、気のいいヤクザの組長・吉田(光石研)、年老いたお人好しのホームレス・進藤(五頭岳夫)、おしゃべりな関西出身の中年女性・野口(烏丸せつこ)、面会に来ない我が子を思い続ける気弱な父親・小川(小川登)、大量殺人を犯した自己中心的な若者・高宮(玉置玲央)。時にユーモアを交えながら展開される魂のぶつかり合い。生きるとは何か、罪とは何かを問い掛ける骨太な人間ドラマが誕生した。

 死刑に立ち会う刑務官を描き、小林薫(66)西島秀俊(47)、大杉さんも出演した映画「休暇」(監督門井肇、2008年公開)の脚本などを担当した佐向監督が今作のシナリオも執筆した。

 今回は上映に先立ち、大杉さんと徳島の映像を紹介。同市出身のギタリストで大杉さんと何度もライブを行った堀尾和孝(63)のミニライブも行われ、佐向監督と堀尾が大杉さんの思い出を語る。

 アコースティックギター1本のライブ「アコギ一本勝負!」で知られる堀尾は「15年間、大杉漣さんとバンド活動をする中で、漣さんの人柄、心の温かさに心酔しておりました。この映画の中の漣さんも、重く難しい役柄に正面から取り組んでいらして、やはり感動しました。遺作というには本当に残念すぎますが、生きるというテーマをすべての方に見ていただきたい。素晴らしい映画です」と呼び掛けている。

 試写会への応募は締切済み。

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2018年9月26日のニュース