角川春樹氏がバラエティー初出演 NG出され続けた“因縁”の俳優「妄想の中で何回か殺しました」

[ 2018年8月31日 20:15 ]

角川春樹氏
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 角川書店の社長、角川映画の製作などで“メディアの風雲児”と呼ばれた角川春樹氏(76)が8月31日放送のTBS「爆報!THEフライデー」(金曜後7・00)でバラエティー番組に初出演。“因縁”のある俳優・榎木孝明(62)と対面した。

 製作費50億円を投じ、春樹氏がメガホンを執った映画「天と地と」(1990年公開)に、当時33歳の榎木が上杉謙信役で主演(急性骨髄性白血病のため降板した渡辺謙の代役)。「芝居を始めてから15年ぐらい経っていましたので、結構、生意気盛りの頃」。自信満々に演技をしたが、具体的な理由は指摘されず、監督の春樹氏から「おまえの演技は素人の学芸会レベルだ」「もう俳優やめちまえ」などとNGを出され続け、同じシーンを数十回やり直した。榎木が「煮えくり返って、オレを何だと思っているんだ、みたいなね。妄想の中では何回か殺しましたかね」と振り返ったほど。

 撮影が終わった後、NGの理由を問いただしたが、春樹氏は「自分で考えろ。馬鹿もん」と言い残し、帰った。28年経っても、くすぶり続ける思いをぶつけようと、春樹氏に出演オファー。ダメ元だったが、まさかのバラエティー初登場となった。

 2人は7月30日、角川春樹事務所で対面。榎木が「私はまだまだ生意気盛りで、30そこそこの若造でしたので、とても自分なりのプライド、誇りがありましたので、ホント自分の思うものをぶつけていったんですけど、もうすべて否定されましたね」と切り出すと、春樹氏は榎木にNGを出し続けた理由について「役者というのは途中で突然、変わる時があるんですよ。例えば、引き出しが一体コイツにいくつあるんだろう、と。少なくとも3つぐらいは用意していなきゃいけないんだよね。(榎木に)引き出しがいくつあったか知らないけど、演出家がOKを出す演技というのは、どれだけ本(脚本)を読み込んでいるか、と。そういう点で言うと、榎木は読み込んでなかったんだね。もう1つは自分が空っぽになった時、本当に素のものが出てくる。『無になる』ということは、入ってくる余地があるじゃない。謙信なら謙信が」と榎木を空っぽにして成長を促すためだったと真意を明かした。

 撮影から約3カ月が経ち、榎木が変貌を遂げた瞬間があった。真っ白な状態で本番に臨んだ鉄砲の試射シーンで「オレが待っていたのはそれだ」と初めてOKが出た。

 NGを出され続け、精神的に参っていた榎木は引退まで考えたが、その後、春樹氏が映画「天河伝説殺人事件」(91年)の主演、探偵・浅見光彦役に榎木を推薦。春樹氏は「浅見光彦というのは、金田一耕助とは違った形で、身近な探偵を撮りたかった。飄々とする人物を演じることができるんじゃないか」。自身の代表作となり、榎木は「ある種『天と地と』をやり仰せたことのご褒美だと私は思ったんですけども、また新たな次の人生までちゃんと敷いてくださった。人生で数少ない本当の意味の恩人の1人だと思っています。この思いは一生続きます」と春樹氏と固い握手を交わした。

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