映画、朝ドラと充実の秋。この女優さんから目を離すな!

[ 2018年8月15日 11:00 ]

映画「きみの鳥はうたえる」は石橋静河にとっても特別な作品になったようだ
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】石橋静河(24)の笑顔が弾けた。映画「きみの鳥はうたえる」(監督三宅唱)の公開を前に話を聞いたが、「御褒美をもらうような2度とない豊かな時間でした」と充実の撮影を振り返った。

 1990年に41歳で自死した佐藤泰志氏の最初の芥川賞候補作が原作。「海炭市叙景」(2010年)「そこのみにて光輝く」(13年)「オーバー・フェンス」(16年)に続いて4本目の映画化作品だ。

 書店で働く「僕」(柄本佑)と失業中の「静雄」(染谷将太)が同居している。そこに「僕」の書店の同僚である「佐知子」(石橋)が加わり、3人が過ごすひと夏を切り取った。2人の男の間を行き来するヒロイン役。青春の一コマをけなげに生きて見せた。

 「柄本さんと染谷さんに動かされたというか、自分からお芝居を作りにいったというよりかは、それぞれ“僕”と“静雄”という2人の違う異性の人たちに素直に向き合った結果、全然違う反応が自然と出てきたという感じでした。周りの人たちに作ってもらったという感覚が強かった」

 三宅監督は東京から佐藤氏の故郷である函館に舞台を変え、時代設定も現代に置き換えたが、どこか懐かしいにおいも残す作品に仕上がった。

 「函館の時間の流れ方が独特で、そこにちょっとずつ染まっていった感じでした。山があって、海があって、街があって、それをすごく感じながら、どんどんその場の空気に染まっていく。それを監督がそのまますくい取ってくれたんです」

 撮影は昨年6月に行われた。柄本、染谷と一緒にいる時間が楽しくてしかたがなかったという。「3人でいる時間が面白くて、べたべたした感じではないですけれど、3人でいる時の空気感、それは映像に映っていると思います」と強調する。

 クラブで踊る場面が出てくる。4歳からクラシックバレエに親しみ、15歳になると米国ボストンやカナダのカルガリーのバレエスクールに留学。13年に帰国し、コンテンポラリーダンサーという顏も持つ。それだけに水を得た魚よろしく、そのパフォーマンスは圧巻。「演技」とはまた違った表現者としての凄みを示し、映画の大きな見どころの1つになっている。

 「この映画は初号(関係者向けの試写会)から楽しみにしていましたが、自分が思っていたものよりもっと素敵な作品になっていました」と胸を張る。8月25日から函館で先行公開が始まり、東京は9月1日に初日を迎える。

 映画だけでなく、活躍の場はテレビにも広がっている。NHK朝の連続テレビ小説「半分、青い。」に永野芽郁(18)扮するヒロイン鈴愛の幼なじみの律(佐藤健)の妻・より子役で出演中。これから後半のキーマンとして出番も増えていく。「けっこうパンチの効いた役です。朝ドラに参加できてすごくうれしかった」と素直に喜んだ。

 俳優の石橋凌(62)と女優の原田美枝子(59)の次女として産声をあげた。昨年公開された「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」(監督石井裕也)でブルーリボン賞新人賞を贈られた逸材。ますます目が離せない存在になってきた。

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