【柳沢慎吾のひとり甲子園“再現動画”】夏にダイコン調達 大変な東農大二の「大根踊り」

[ 2018年7月19日 09:00 ]

東農大二名物「大根踊り」を披露する柳沢慎吾(撮影・会津 智海)
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 応援席を見ていると凄い勉強になるんだ。ブラスバンドの一生懸命な演奏は心打たれるし、伝統的な応援は“無形文化財”に出合ったような喜びがある。

 夏5回出場の東農大二(群馬県)の名物といえば、得点時の「大根踊り」(※文末の動画<1>参照)。応援歌を口ずさみながら、両手に持ったダイコンを右へ左へ突き出すの。片足も一緒に。隣とぶつからないように間隔は空けること。これ大事よ。

 ダイコンも普通のダイコンじゃないわけ。踊りの見栄えを良くするために葉付きじゃないといけないんだって。収穫期は冬場だから、夏の大会に合わせて手に入れるのは凄い苦労するみたい。それでも、一生懸命探してくるんだから応援に熱が入るのは当然だね。

 「大根踊り」は元々、東農大の応援団がやっていて「青山ほとり」が正式名称。そういえば、昔、東農大のキャンパスって青山にあったんだっけ。黒い学生服だと白が目立つという理由で、ダイコンを持つようになったらしい。1950年代からダイコンを持って踊るようになったんだって。“本家”は歌い終わるまで80回も腕を突き出す。やってみると正直きついですよ。

 最初スローなんだけど、どんどんテンポアップしていくのは前橋育英の「アルプス一万尺」(※文末の動画<2>参照)。応援する人たちの超速の動きにはびっくり。

 同じ北関東では常総学院(茨城県)の「常総節」も外せない。民謡っぽい応援歌だよね。「日大節」とか「近大節」とかをアレンジしたもので、歌詞は7番まである。得点時には応援席みんなで肩を組んで♪ここは常陸か 土浦の街か 土浦の街なら 高校は常総――って1番を大合唱。スタンドに一体感が生まれて、攻撃がどんどんリズムに乗ってくるんだ。

 常総っていうと、やっぱり木内幸男前監督を思い出しちゃう。戦況に応じた選手起用が次々と的中する「木内マジック」。名将の采配も“無形文化財”として語り継いでいかなきゃ。

 応援グッズなら作新学院(栃木)の「必勝水」。水が入ったタンクを先生たちが背負って応援席に水しぶきをかけていく。これが採用された2011年から昨年までなんと7年連続で甲子園出場よ。しかも、ただの水じゃあない。世界遺産の日光二荒山(ふたらさん)神社でくむんだから。作新は史上初の春夏連覇したり、「怪物」江川(卓)がいたり。新たな“最強アイテム”も歴史に名を残すかもしれないよ。熱中症対策にもなるしね。

 ▼作新学院の春夏連覇 62年春にエース八木沢を擁し初V。夏は八木沢が赤痢で離脱も、代役・加藤が好投し初の快挙。

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