歌丸さん告別式 ピン子「もうすぐいくから待っててね」 歌丸さん役・松也「粋だった」

[ 2018年7月11日 17:16 ]

桂歌丸さんの告別式に参列する泉ピン子(撮影・沢田 明徳)
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 慢性閉塞性肺疾患のため今月2日に81歳で亡くなった落語家の桂歌丸(本名椎名巌=しいな・いわお)さんの告別式が11日、横浜市港北区の妙蓮寺で落語芸術協会(芸協)・椎名家合同でしめやかに営まれた。告別式には芸能界、落語界から関係者や一般のファンを含め、2500人が参列した。

 式では、歌丸さんの師匠で芸協最高顧問の桂米丸(93)、落語協会会長の柳亭市馬(56)、「笑点」代表として林家木久扇(80)が弔辞を読み、友人代表として歌舞伎俳優の中村吉右衛門(74)があいさつ。落語芸術協会(芸協)の会長代行で副会長の三遊亭小遊三(71)が謝辞を行った。

 参列した女優の泉ピン子(70)は歌丸さんとは泉がまだ歌謡漫談家をやっていた10代の頃から付き合いだといい、「私のお笑いの、若い10代の頃を知っている人はいなくなっちゃいましたね」としみじみ。17年に放送された歌丸さんの生涯を描いたドラマ「BS笑点スペシャル桂歌丸」で歌丸さんの祖母を演じた。

 泉が「どう考えても兄さんのおばちゃんはできない」と言ったら歌丸さんから「うちの鬼婆をできるのはお前しかいない」と言われたことを明かし、その番宣で対談をしたことを振り返り、「(尾上)松也くんが自分の役をやるので凄い機嫌が良かった」と話した。「本当に真面目で、おしゃれで、堅物で打合合わせしていてもお笑いがない。打ち合わせでも笑い取らない。そういうところは師匠は融通性はない」と懐かしそうに振り返り、「もうすぐいくから待っててね!」と天国の歌丸さんに呼びかけた。

 そのスペシャルドラマで歌丸さんを演じた歌舞伎俳優の尾上松也(33)も参列。「凄く温かくて、皆さんから慕われるというのがよく分かる師匠でしたね。あまり多くは語らなかったですけど、いらっしゃるだけで場が明るくなった」と感慨。ドラマの撮影中には、地元の横浜で撮影したこともあり、「撮影の合間にもサプライズで駆けつけてくださって、笑顔で激励してくださった。(現場の)士気も上がりましたし、粋だった」。告別式に参列し、「ドラマで演じたシーンが頭の中で駆け巡りました。感慨深いというか、奥様との絆が運命的であり、強かった印象がありましたので、奥様との別れは師匠にとってもお辛いでしょう。寂しいだろうなと思う」。そんな松也に、泉は「(松也が自身を演じたことが)自慢だったと思うから(参列を)喜んでいると思うよ」と背中を押していた。

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2018年7月11日のニュース