藤井七段 竜王戦で指した“AI超え”の一手説明「部分的には人間の方が深く読める」

[ 2018年6月10日 19:45 ]

名古屋市内で行われた昇級昇段を祝う会を前にした会見で喜びを語る藤井聡太七段
Photo By スポニチ

 高校生棋士・藤井聡太七段(15)が10日、名古屋市内で行われた自身の「昇級昇段を祝う会」の会場となったホテル内で会見。5日の竜王戦で指した驚愕の一手について改めて言及した。

 5日の竜王戦ランキング戦5組決勝で藤井は石田直裕五段(29)に勝利。その終盤で、飛車を捨てた[後]7七同飛成がファンの間で“AI(人工知能)を超えた”と話題になっていることについて質問が飛び、これに答えたもの。

 「一言で説明するのは難しい…」としばし黙考。その上で、「人間であれば、その場面で条件を整理して、それに沿った手を考えるもの。その中で導き出された手だった」と続けた。

 さらに「最近の将棋ソフトが大変強いのは言うまでもないことですが、部分的には人間の方が深く読める局面もあるというのは個人的には考えていたこと。それが現れたのかなと思います」。まるで他人事のように冷静に分析しながら“AI超え”の一手であったことを自ら認めた。

 横に座って一緒に会見した師匠の杉本昌隆七段(49)は、この発言に、愛弟子の驚異的な成長ぶりを改めて痛感したよう。「自分にはできないなと思った。技術的にも精神的にも充実していないと出ない手」と、感心しきりだった。

続きを表示

この記事のフォト

2018年6月10日のニュース