サザン 3年ぶり新曲は映画「空飛ぶタイヤ」主題歌、原作池井戸氏歓喜

[ 2018年4月18日 04:00 ]

映画「空飛ぶタイヤ」の主題歌を担当するサザンオールスターズ
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 6月にデビュー40周年イヤーに突入する国民的バンド「サザンオールスターズ」が、5年ぶりに映画主題歌を手がけた。作家池井戸潤氏(54)の作品が初めて映画化される「空飛ぶタイヤ」(監督本木克英、6月15日公開)に、3年ぶりの新曲「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」を提供した。

 TOKIO・長瀬智也(39)の主演で、リコール隠しをする大企業に立ち向かう男たちを描く作品。主題歌を依頼された桑田は、1月に完成前の映画を見て引き受けることを決断。「面白い。長瀬くんの演技が良かった」と気に入った。物語に沿うように、重苦しい曲調ながら、力強さを感じるミドルバラードを書き下ろした。

 ♪寄っといで 巨大都市(デっかいまち)へ 戦場で夢を見たかい? しんどいね 生存競争(いきていくの)は 酔いどれ 涙で夜が明ける――。

 矛盾を感じつつ、ストレスを抱えながらも社会で働くすべての人への賛歌。映画製作側は「シビアな内容の映画にふさわしい曲調の中に、明るさや希望を内包した楽曲」と大満足した。

 「半沢直樹」「陸王」などで知られる池井戸氏も主題歌にご満悦。長年のファンで「先生も“主題歌はサザンがいいな”と思っていたそうです」と関係者。カラオケでサザンを歌うこともあり、13年8月には日産スタジアム(横浜市)でライブを観賞した。「学生時代から僕のアイドルでした。40周年という記念すべき年に桑田さんに主題歌を書いていただけるとはとても光栄です」と喜んだ。

 公開日の6月15日に配信されることも決定。10日後の同25日には40周年イヤーに突入する。派手な一年になることが期待できそうだ。

 ▽空飛ぶタイヤ 突然起きたトレーラーの脱輪事故をめぐる物語。事故を起こし整備不良を疑われた運送会社社長・赤松(長瀬)は、車両の欠陥に気づく。製造元に再調査を要求し、自らも独自で原因を探った。そして、自動車会社のリコール隠しにたどり着く。これは事故か、事件か。大企業に立ち向かう男たちの姿を描く。原作小説は累計売り上げ170万部を突破。09年にWOWOWで仲村トオル(52)の主演でドラマ化された。

 ≪「永遠の0」で大ヒット≫サザンの映画主題歌は、40年の歴史で5作と数少ない。前作は13年公開「永遠の0」に提供した「蛍」。V6・岡田准一(37)の主演で太平洋戦争の終戦直前に亡くなった特攻隊員を描いた感動作は、興行収入87億円の大ヒットとなった。桑田が初監督を務めた90年公開「稲村ジェーン」の主題歌は、名バラードの「真夏の果実」。シングルは85万枚、サウンドトラックも200万枚を売り上げた。

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