是枝監督作品、カンヌ映画祭コンペ部門選出 今度こそパルムドール期待

[ 2018年4月13日 05:30 ]

是枝監督の映画「万引き家族」ワンシーン
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 5月8日にフランス南部で開幕する第71回カンヌ国際映画祭で、最高賞パルムドールなどを競うコンペティション部門に、日本から是枝裕和監督(55)の「万引き家族」と、濱口竜介監督(39)の「寝ても覚めても」が選出された。映画祭事務局が12日、発表した。日本映画のコンペ部門への複数出品は5年ぶり。

 是枝監督の同映画祭参加は7回目で、コンペ部門出品は「海街diary」以来3年ぶりで5回目。04年「誰も知らない」では主演の柳楽優弥(28)が男優賞に輝き、13年「そして父になる」は審査員賞を受賞。今作で念願のパルムドール受賞に期待がかかる。

 「万引き家族」は東京の下町が舞台で、万引で生活費を稼ぐ一家が、ある事件をきっかけにバラバラに引き裂かれる物語。リリー・フランキー(54)と安藤サクラ(32)が夫婦を演じる。

 是枝監督は「素直にうれしいです」と喜びのコメントを発表。現地入りする予定で「本来の祭りの目的である映画という豊かな文化に触れて、今後の自分の映画作りの課題を見つけるようなゆったりとした時間にしたいなあと思っています」とした。リリーは「ほこりまみれの物語が、華やかなカーペットを歩くことに希望を感じました」と祝福。安藤は「万引き家族の行方が楽しみ」と期待を寄せた。

 一方、濱口監督は前作「ハッピーアワー」(15年)がロカルノ国際映画祭などで注目を集めた気鋭の若手で、「寝ても覚めても」は商業映画デビュー作。作家・柴崎友香さんの小説が原作で、同じ顔をした2人の男とその間で揺れ動く女の恋愛作品。東出昌大(30)が主演する。濱口監督は「今から映画祭の熱気と、多くの観客に出会えることを楽しみにしています」と喜んでいる。

 オフィス北野が製作に参加している中国のジャ・ジャンクー監督「Ash is Purest White」も出品が決まった。

 ≪邦画過去4作品頂点に≫日本作品で過去に最高賞を受賞したのは4作品。1954年の衣笠貞之助監督「地獄門」、80年の黒澤明監督「影武者」、今村昌平監督の83年「楢山節考」、97年「うなぎ」がある。

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