“過去”と戦い続けた「めちゃイケ」 最終回も攻めの姿勢

[ 2018年3月30日 17:05 ]

「ナインティナイン」の岡村隆史
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 21年半という長い歴史に幕を下ろす「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ、最終回は31日午後6時30分から)。番組後期は長寿番組ゆえの“過去”との戦いだった。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象2400人)の満足度調査によると、最終回が発表される前年16年の満足度は3・04(5段階評価)とプライム帯放送のバラエティーの中で最下位。高満足度の基準が3・7以上で、同年同時間帯のトップが「ブラタモリ」(NHK)の3・93、民放トップが「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)の3・78ということを考えると、視聴率でも低迷が伝えられていた「めちゃイケ」は、番組満足度もかなり苦戦していたことがうかがえる。

 満足度が低かった理由は“過去”にある。視聴者の感想を見ると、「昔に比べると面白くなくなった」(36歳男性)、「最近つまらない」(50歳女性)、「昔みたいにワクワク感がない」(31歳男性)など、“昔は”や“最近は”という比較を付けてネガティブに回答する視聴者が多く、それが満足度を大きく下げる要因となったていた。データが残る12年4月期から16年までの年間平均満足度をさかのぼると、12年から3・43→3・46→3・36→3・26→3・04と、徐々に下降。視聴者がどこを面白いと思うかは十人十色だが、過去に“面白かった”という印象が強く残っている番組だからこそ評価が厳しくなり、他の番組より要求水準が高くなってしまう宿命にあった。

 17年は3・38とやや好転し、今年も最終回前まで7回分は3・56と過去7年間で最も高い満足度を記録した。背景に番組が終了することへの寂しさや、最終回が発表されたことでより挑戦的で特別感のある企画になったことはもちろんある。一方で過去7年間で最も高い満足度を記録したのは、番組終了が発表される直前の17年10月14日放送「岡村隆史オファーシリーズ・三浦大知編」で3・89。「久しぶりに良い企画だった」(41歳女性)、「久しぶりにめちゃイケと岡村の本気度を感じた」(55歳男性)、「最近めちゃイケは見てなかったけど、久々に子供と楽しく見れた」(32歳女性)など、“久しぶりに良かった”という回答が多く、“あの頃”の面白さと並んだ、もしくはそれに“勝った”回だった。

 17年は、1月最初の放送でSMAP解散直後の中居正広が事前告知なしで登場したり(満足度は3・64)、4月のスペシャルではドッキリブームの中めちゃイケ流の新しいドッキリを提案したり(3・62)と、終了発表前の数カ月はかつてのような挑戦的な企画が増加。過去と比較する視聴者もいるがそれ以上に番組を純粋に楽しめる回が増えたことが満足度を上昇させていた。その矢先だっただけに、終了をより一層寂しいと感じる視聴者も多かっただろう。最終回は5時間を超えるが、過去を振り返る総集編ではなく全て新撮映像という。常に新しい企画に挑み続けた「めちゃイケ」らしいラスト。最後の最後まで過去を超えようと攻めの姿勢を見届けたい。

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2018年3月30日のニュース