山崎まさよし 14年ぶり映画主演「自信ありません!」横山秀夫氏原作「影踏み」

[ 2018年3月23日 08:00 ]

手をがっちりと握る(左から)篠原哲雄監督、山崎まさよし、横山秀夫氏
Photo By 提供写真

 シンガー・ソングライターの山崎まさよし(46)が14年ぶりに映画に主演することになった。タイトルは「影踏み」で主題歌も担当する。

 「クライマーズ・ハイ」「64」などで知られるベストセラー作家、横山秀夫氏(61)の同名小説の映画化。山崎は自身初の主演映画「月とキャベツ」(96年)以来、23年ぶりに篠原哲雄監督(56)とタッグを組む。クランクインは5月中旬で、公開は来年の予定だ。

 演じるのは泥棒。横山氏、篠原監督とともに取材に応じた山崎は「自信がありません!」と弱気に第一声。だが、横山氏が「泥棒役にぴったり。歌で人の心を盗むのが上手だから」と太鼓判を押すと、その期待に応えるように「権力に対する反発心を持っているし、主人公と同じ目線になることはできそう。もっと共通項を探していきたい」と意欲を示した。

 主演映画は05年公開の「8月のクリスマス」以来。16年に「月とキャベツ」が公開20周年を迎えたことで篠原監督との再タッグの企画が浮上し、山崎が横山氏の大ファンだったことから実現した。

 泥棒を主人公にした「影踏み」は、警察小説が多い横山作品では希少。山崎は役作りが想像もつかない様子だったが「21歳の時に桜木町(神奈川)のアパートで空き巣に入られたことがあった」と明かし、思わぬ“縁”に苦笑いした。

 「人との結びつきがあるものだけを引き受けているだけ」とし、芝居に挑むのは、16年9月放送のテレビ東京ドラマ「望郷」以来。短期ドラマシリーズや短編映画なども含め、ひょうひょうとした演技は評価が高い。篠原監督は「アウトローが似合う人。人間のダメなところを自然に演じることができる」と、俳優・山崎を評した。今作のアンダーグラウンドな世界をどう演じるのか、注目される。

 ◆山崎 まさよし(やまざき・まさよし)1971年(昭46)12月23日生まれ、山口県出身の46歳。95年に「月明かりに照らされて」でメジャーデビュー。05年にNHK紅白歌合戦に初出場。ヒット曲に「セロリ」「真夜中のBoon Boon」など。

 ◆横山 秀夫(よこやま・ひでお)1957年(昭32)1月17日生まれ、東京都出身の61歳。79年に上毛新聞社に入社し、91年に退社。日航機墜落事故の取材体験をまとめた03年の「クライマーズ・ハイ」がドラマ、映画にもなった。12年の「64」もベストセラーに。

 ◆篠原 哲雄(しのはら・てつお)1962年(昭37)2月9日生まれ、東京都出身の56歳。「月とキャベツ」が初の劇場用の長編作品。野村萬斎主演の映画「花戦さ」(昨年6月公開)で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞。代表作に「はつ恋」「命」など。

 ▽影踏み 深夜に民家に忍び込み、盗みを働く「ノビ師」と呼ばれる泥棒が主人公。15年前に母親が起こした無理心中に巻き込まれて亡くなった双子の弟が耳の中に棲みついている。双子で一人の女性を愛してしまったゆえに2人はゆがんだ関係を保ち続ける。そんな主人公には次々と事件が降りかかり、謎の女性の存在も絡んで物語は思わぬ展開へと進んでいく。

続きを表示

2018年3月23日のニュース