内田康夫さん、旅先で綿密な取材…歴史や伝説を事件の背景に

[ 2018年3月19日 06:20 ]

作家・内田康夫さん死去

2014年8月、長野県軽井沢町でポーズをとる内田康夫さん
Photo By 共同

 内田康夫さんが、浅見光彦を作品に登場させたのは82年の「後鳥羽伝説殺人事件」から。浅見は脇役の一人で、同作の主人公は刑事だった。容姿などは同作の担当編集者がモデル。その編集者の勧めで再び「平家伝説殺人事件」に登場させたことで浅見の人気に火が付いた。

 犯人やトリックを書きながら考えていくスタイル。「プロットを決めてから書くとスリルがない」という信条からだった。飛行機嫌いで、愛車ソアラや豪華客船「飛鳥」に乗って旅先で綿密な取材を重ね、その土地の歴史や伝説を事件の背景に絡めた。

 浅見シリーズは累計約9700万部。著作の累計発行部数は計約1億1500万部。内田さんは96年度高額納税者番付の作家部門で13年連続首位だった赤川次郎氏(70)を抜いて1位になった。文壇きっての囲碁の打ち手としても知られた。

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