【夢中論】岡田結実、夢は小説家 読書で培った“創造力”「20代のうちには書きたい」

[ 2018年3月13日 11:00 ]

「また、同じ夢を見ていた」を手に笑顔を見せる岡田結実
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 バラエティー番組やCMに引っ張りだこの岡田結実(17)。念願のドラマデビューを主演で果たし、“日本一忙しいJK”といわれる八面六臂(ろっぴ)の活躍だ。仕事の合間を縫って大事にしているのは本を読むこと。人生観に大きく影響を与える小説との出合いも経験し、いつか小説を書くと心に決めている。

 ◆“キミスイ”作者・住野よる氏にハマってます

 テレビのレギュラー番組4本、CMやイベント出演にファッション誌「ViVi」のモデルも務める超多忙な日々。収録現場に向かう電車や新幹線での移動中は貴重な読書タイムだ。いつもバッグに本を入れて持ち歩き、仕事が早く終われば新宿の紀伊国屋書店などに足を運ぶ。まずは新刊コーナーで足を止めて話題作を手に取り、その後興味の赴くまま見て回る。

 「人気の作品を1冊、それとタイトルや装丁が印象的な本を何冊か買います。本屋さんによって並べ方が違うのも面白い」

 読書にはまったきっかけは、小6の時に父の「ますだおかだ」岡田圭右(49)から「感動したから読んでみて」と、小説「ハッピーバースデー」(青木和雄、吉富多美著)を贈られたこと。母親から精神的虐待を受けている少女が傷を癒やし成長する物語で「本って素敵だな、文章だけでこんなに泣けるなんて凄いなと思いました」とのめり込んだ。

 ここ数年、夢中になっているのは住野よる氏の小説。デビュー作「君の膵臓をたべたい」を、本好きの友人が「凄いタイトルだよね」と話していたことが気になり、早速手に取り没頭した。

 2作目の「また、同じ夢を見ていた」にさらに衝撃を受けた。少女が女子高生や老婦人らと出会い、幸せとは何かを見つけるストーリー。「主人公がどんな壁にぶつかってもなあなあにしないで行動するのは簡単なようで難しいこと。私もそういう人間になりたいと大きな影響を受けました。自分の人生観の真ん中にある作品です」。

 読書中は感情を動かされた部分に線を引き、感じたことを書き込む。高1の時に国語教師から「本は旅みたいなもの。旅で写真を撮るように、本に線を引いて何を思ったのか書いておくと、読み返した時の楽しみが変わる」と教わり実践している。「『また…』も電車の中で線を引きながら読みました。10年、20年後に読み返すのが楽しみ」。愛読書には心の旅も刻まれている。

 ◆文学部を志望、映像に心理…尽きない興味

 中山七里氏のミステリー小説をドラマ化した「静おばあちゃんにおまかせ」に主演する。原作を読み謎解きを楽しんだが、演じてみてギャップも知った。難事件に挑む女子大生役で「本では畳み掛けるセリフもサラサラと読めるけど、自分が言うとなると難しい。どんな間合いや感情で言えばいいのか悩みました」。

 ただ、子供の頃から培った本を読む力は女優業にも役立っている。「セリフの意図や裏側を読み取る力がつくし、その人物の気持ちを考えるために細かい情景も思い浮かべる想像力が鍛えられます」

 想像力は、いつしか創造力に。中3の頃から「いつか本を書いてみたい」という思いが湧き出てきた。

 「こんなに面白いものを書ける人がいて、なんで自分はボウ然と読んで感情をもらってるだけなんだろうと思ったら悔しくなっちゃって。悔しい気持ちをそのままにしたら感情が死んじゃうと思うので絶対に書きたい」

 小学校では読書感想文を書くのが好きで、制限枚数の3枚を超え7枚書いたことも。スマホには思い浮かんだ言葉やストーリーをメモし、学生ものなど書きたいテーマもある。「20代のうちには書きたいです」。

 4月から高3。文学部を志望し大学進学を目指すが「映像や心理、経営にも興味があって、文学部風に言えば多岐亡羊。やりたいことがありすぎてどこに向かえばいいのか分からない」と興味が尽きない。原動力は感情の動き。「演技をしていると感情をもらう瞬間があるんです。それが気持ちいいし、自分の演技が相手に影響するのも楽しい。本やバラエティーも同じです。吸収、蓄積、発揮の繰り返しをスパルタのように自分に課して、いろいろ感じて学んで本の中に織り込めたらと思います」。豊かな感受性が飛躍の源。いつかみずみずしいストーリーを生み出し、「作家」の夢を結実させる。

 ◆岡田 結実(おかだ・ゆい)2000年(平12)4月15日生まれ、大阪府出身の17歳。1歳から子役モデルを務め、10〜14年にNHK・Eテレ「天才てれびくん」シリーズに出演。昨年2月公開の映画「傷だらけの悪魔」で女優デビュー。日本テレビ「1周回って知らない話」「誰だって波瀾爆笑」などにレギュラー出演中。CMは「LIFULL HOME’S」などに出演している。1メートル60、血液型B。

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