俳優&女優“ルックスだけ時代”の終えん「演技が下手だと現場で浮く」

[ 2018年2月20日 10:20 ]

テレビ、映画、舞台に幅広く活躍する堤真一
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 「顔だけの時代は終わりました」

 ドキッとする言葉を芸能事務所のベテランマネジャーが真顔で言った。

 どういうことなのか?

 「昔はルックスの良い若いタレントは、多少演技ができなくても出演依頼が来ていたんですが、今は演技ができないとオファーが来なくなります。引っ張りだこになっているのは、みんな演技ができる子たちですよ」

 近年、ドラマや映画に舞台出身の演技派が積極的に進出。ヒット作には必ず、名脇役がいることが当たり前になってきた。

 約20年前には舞台俳優がドラマに出るのは新鮮だった。1996年のフジテレビ「ピュア」で堤真一(53)が民放連続ドラマ初出演。その後、堤はテレビ、映画、舞台に大活躍していった。

 2001年のフジテレビ「HERO」では、当時はお茶の間に知られていなかった八嶋智人(47)、小日向文世(64)、田中要次(54)らが作品に味わいを出した。

 そうしたドラマを経て、視聴者が実力派の演技を楽しみたいという時代に入り、名脇役だけを集めた連ドラ「バイプレイヤーズ」(テレビ東京)も放送されている。目が肥えた見る側の要求、それに合わせた俳優、女優たちの演技力の向上で、撮影現場のレベルが格段に上がったという。

 ベテランマネジャーは「演技が下手だと現場で浮いてしまう。周りがうまいので、本人も周囲もすぐに分かる。そういう状況なので、うまくない俳優、女優には出演依頼が来なくなるんです」と話している。

 近年、視聴率に苦しむドラマが増えているが、TBS「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年)、同「陸王」(17年)などの話題作は出ているし、テレビ朝日「ドクターX」、同「相棒」シリーズは高数字をマークし続けている。

 視聴者の期待に応えられる実力ある出演者がそろっているだけに、放送時間帯、脚本がピタッとはまるものが出来た時、爆発的ヒットドラマが生まれる可能性は高いと期待している。(記者コラム)

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