大ベテランでもおごりなし 郷ひろみの心がけ 得意な曲にこそ…

[ 2018年2月12日 10:10 ]

スーパーラグビー国内開幕戦での国歌独唱が決まり、サンウルブズのユニホーム姿で気合いを見せる郷ひろみ
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 歌手の郷ひろみを取材すると、いつも背筋が伸びる思いになる。62歳ながら、おごりがない。今回もまた、そう感じさせられることがあった。

 郷は24日に東京・秩父宮ラグビー場で開かれる、スーパーラグビーのサンウルブズ―ブランビーズ戦で国歌を独唱する。ハーフタイムには「GO」にかけた5分間のショーを行い、「2億4千万の瞳」で会場を盛り上げる。その意気込みを聞いている際、「僕の経験上、人は得意な分野で失敗する。だから得意な曲を歌うことが決まると、曲を聴くんですよ。最高のパフォーマンスをしたいから」という言葉があった。

 多くのヒット曲を持つ郷。「お嫁サンバ」「よろしく哀愁」「2億4千万の瞳」「GOLDFINGER ’99」。今まで何千回、何万回と歌ってきた曲だ。こうした曲にこそ、「落とし穴がある」と言う。

 「あまり歌っていない歌や、得意じゃない歌は自然と注意力が増すわけですよ。慎重に歌おうと思うから。だけど、得意だからこそ注意力が散漫になって、必ず足元をすくわれる。得意だなと調子に乗った瞬間、何かが起こるんですよ。得意だなという曲は戒めようと思う。だから曲を聴くんですよ」

 こうした心がけは、歌手に限らず誰にでも当てはまること。日常生活でも仕事でも、当たり前にやっていることで思いがけないミスをしてしまうもの。郷のこの言葉を大切にしようと思った。

 「2億4千万の瞳」は、34年前の84年に発売された。コンサートはもちろん、NHK紅白歌合戦といった音楽番組やイベントで歌う機会も多い。郷自身はこの曲を「歳を取らない」と感じているという。「僕が20代後半の時の歌。でも、歌っていても昔の歌という感覚がない。そういう意味では、普遍的な歌なんだろうなと思ってる」と明かした。

 タイトルは当時の日本の人口が1億2000万人だったことに由来したもの。曲には「日本がひとつになる」というメッセージが込められている。来年、自国開催のワールドカップが控える日本ラグビー界にピッタリの曲だと思う。(記者コラム)

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