東京五輪・パラ演出チームに「三丁目の夕日」山崎監督ら 開閉会式で4部作

[ 2017年12月21日 05:45 ]

映画監督の山崎貴氏
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 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は20日、開会式と閉会式の演出を手掛けるチームを立ち上げ、メンバーとして映画監督で「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズなどで知られる山崎貴氏(53)ら8人を選んだ。五輪・パラリンピックの開閉会式を一連の4部作と捉え、起承転結のストーリーを考える重要な役割を担う。

 組織委は大会のハイライトの一つとなる開会式と閉会式の演出を手掛ける「4式典総合プランニングチーム」を立ち上げた。チームは来年夏をめどに基本プランを取りまとめた上で、各式典の監督が選任される予定。山崎氏には中心的な立場を期待されており、監督の有力候補となる。

 山崎氏は人情や昭和の街並みをノスタルジックに描いた映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの監督として広く知られる。高度な映像世界を生み出すVFX(視覚効果)の第一人者で、臨場感の演出が得意だ。

 シリーズ第3作「ALWAYS 三丁目の夕日’64」は、前回の東京五輪が開かれた1964年の東京が舞台だった。上空にはアクロバット飛行チーム・ブルーインパルスが五輪の輪を描き、カラーテレビがある家には五輪中継を見ようと人が集まる…。五輪開催による高揚感や熱を映し出した。

 山崎氏は「1964年、つまり前回の東京五輪の年に生まれた僕が、このプロジェクトの仲間に入れてもらえたことに運命的なものを感じている。身に余る大役だが、ない知恵を絞って頑張っていこうと思う」と意気込んでいる。

 クリエーティブディレクターの佐々木宏氏や菅野薫氏、音楽家の椎名林檎、人気女性グループ「Perfume」(パフューム)の振り付けを手掛けるMIKIKOさんもチーム入り。4人は人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」のマリオに扮した安倍晋三首相が登場して話題となった、昨年のリオデジャネイロ五輪閉会式のアトラクションに関わった企画・演出チームの一員だった。

 伝統芸能の分野から狂言師の野村萬斎。アニメ映画「君の名は。」の製作に携わった映画プロデューサーの川村元気氏、障がい者の芸術活動などに造詣が深いクリエーティブプロデューサーの栗栖良依さんも名を連ねた。開閉会式の全体コンセプトは「平和」「復興」「日本・東京」など8項目に決まった。

 ◆山崎 貴(やまざき・たかし)1964年(昭39)生まれの53歳。長野県出身。代表作に「永遠の0」「STAND BY ME ドラえもん」など。最新作「DESTINY 鎌倉ものがたり」が現在公開中。12年に映画監督の佐藤嗣麻子さんと結婚。

 ≪夏季開会式では映像重視、過去3大会連続映画監督≫夏季五輪開会式の演出は、映像の見せ方が重視される傾向が近年強まり、過去3大会は連続で映画監督を起用。08年北京大会で総監督を務めたのは映画「初恋のきた道」のチャン・イーモウ氏。北京市中心部の上空に、“巨人”の足形を模した花火が会場へ近づいていくように見える映像をテレビ向けに流した。16年リオデジャネイロ大会の演出はブラジルのスラム街で生きる子供たちを描いた「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス氏。会場の随所に、映像を張り合わせるように投影する「プロジェクションマッピング」技術をふんだんに使った。

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