“余命3カ月宣告”の大林宣彦監督、がん闘病も意気軒高「あと30年は映画を作る」

[ 2017年12月16日 14:47 ]

映画「花筺」の初日に舞台あいさつを行った大林宣彦監督
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 大林宣彦監督(79)が16日、最新作「花筺/HANAGATAMI」の初日舞台あいさつを都内で行った。肺がんのステージ4で余命3カ月と宣告された後の昨年夏に撮影した青春群像劇。大林監督は、「余命3カ月と言われ、1年4カ月も生き延びています。あと30年は生き延びて、映画を作ろうと思っている」とさらなる意欲を見せた。

 映画には反戦へのメッセージを込め、「あの戦争(第二次世界大戦)で生き延びちゃったんだから、がんごときで死なねえぞという気持ち。でも、がんのおかけで緊迫感のある映画になった」と意気軒高。さらに、「がんは宿子で、私が宿主と考えるようになった。がんも一生懸命生きようとして私の体をむしばんでいるが、私が死ぬとがんも死んでしまう。だから、もっと利口になって仲良く生きようじゃないかと話している」と持論を展開し、満場の盛大な拍手を浴びた。

 主演の窪塚俊介(36)は、「大林監督と出会って、自分らしく自由に個性を持って生きることの大切さを再認識した」と感謝。満島真之介(28)も、「台本に、神話に出てくるような美少年と書いてあったので、正直どうしようかと思った。でも監督との出会いがとても大きかった。一生隣で肩を組んでいたい、同志になりました」と称えた。

 矢作穂香(20)は、未来穂香の芸名で活動していたが、大林監督のアドバイスで同作から本名に変えての“デビュー作”に「監督と初めてお会いした日に、説教をしていただいた。女優としても人間としても、生まれ変わったような気持ち」と笑顔。大林監督は、出演者のあいさつの度に感謝の言葉を送り、「皆が僕の分身。そして映画を見ていただいたことで、ひとつの形、メッセージとして伝わったと思う」とおだやかな笑みを浮かべていた。

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