吉本興業 アジアでスポーツビジネス、巨大市場に“入れてんか”

[ 2017年11月30日 06:20 ]

全日空とスポンサー契約を交わしたサッカーのミャンマー代表
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 芸人6000人が所属する吉本興業がスポーツビジネスで本格的にアジア進出することになった。野球やサッカー選手のマネジメントだけでなく、代理店としての業務にも手を広げる。29日には第1弾として、全日空がサッカー・ミャンマー代表のオフィシャルスポンサーとなることを現地で発表した。

 吉本関係者は「お笑い同様、スポーツも今後国際的な成長が期待される分野。エージェントとして日本人選手や企業の海外進出、逆に海外の選手や企業の日本や他国への進出を後押しできる体制をつくりたい」と意気込み十分。今後、中国、韓国、タイ、ベトナム、カンボジアなどアジア10カ国で人材発掘や企業マーケティングなども行う予定だ。

 ミャンマー代表については、全日空が12年10月から同国への直行便を就航するなど市場開拓に興味を持っており、吉本が仲介役を買って出た形。全日空と代理店契約を締結し、日本サッカー協会を通してミャンマー・サッカー協会と交渉して実現した。アジアに日本のコンテンツを届けるため、吉本や電通など計8社によるエンターテインメント合弁会社「MCIP」による情報収集も役立ったという。

 吉本は欧州にも目を向けており、11月には現地の有力エージェント8社にスタッフを派遣して代理人ビジネスの現状を調査している。Jリーガーの欧州や東南アジアへの移籍も手掛けていく。

 経産省によると、スポーツビジネスの市場規模が米国の約50兆円に対して日本は約5兆円と発展途上で、東京五輪開催の20年までに15兆円となることを目標に定めている。“眠る鉱脈”に狙いを定めた笑いの総合商社は、まずはアジアの掘り起こしで市場を活性化させる。

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2017年11月30日のニュース