ユーミン座長舞台豪華すぎ開幕 弁当2万円超×200個、感動の涙も桁違い

[ 2017年11月28日 05:00 ]

音楽劇「朝陽の中で微笑んで」で場面に合わせ熱唱する松任谷由実。後方はヒロインの宮澤佐江
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 歌手の松任谷由実(63)が27日、東京・帝国劇場で舞台「朝陽の中で微笑んで」を開幕させた。歌と演劇を融合させた新感覚のステージはもちろん、帝劇初日に座長が用意する弁当でも大物ぶりを発揮。京都の有名料亭から、推定1個2万円超の懐石弁当200個を取り寄せ、関係者の度肝を抜いた。

 さすがユーミン!スタッフへの差し入れの弁当からして桁違いだ。1856年創業の老舗「下鴨茶寮」とともに2カ月練った逸品がベールを脱いだ。ふたの裏に実寸のピアノ鍵盤2オクターブ分が描かれた縦15センチ、横33センチ、深さ6センチの白木の箱には、自ら「お弁当のオートクチュール(高級仕立服)」と表現した美味が詰まっていた。

 万願寺唐辛子や京にんじんなどの京野菜やアワビ、マツタケ、グジ(アマダイ)など高級素材を惜しみなく使用。おわんの具の配置やタレ漬けした極上卵黄など舞台名の「朝陽(あさひ)」を思わせるメニューも盛り込んだ17品。この日、京都市内から陸路8時間かけ運び込まれた。過去2回行った帝劇公演も懐石弁当を出したことがあるが「パワーアップしてます」と自信の出来栄えになった。

 稽古も破格だ。主に映画撮影で使う都内の「東宝スタジオ」を4日間押さえ、帝劇と同じ大きさの回転舞台や照明器具などを整えてリハーサル。さまざまな舞台を知る主演の寺脇康文(55)が「こんなに金かけてるところ、ないっすよ」と漏らすと女王はこう答えたという。「何言ってんの。ユーミンよ」

 何より一番凄いのは演劇のクオリティーだ。500年後の世界を舞台に、時を超えた男女の純愛を描く約3時間超の長丁場。ユーミンはポイントごとに衣装を替えて出現。持ち歌を熱唱し、物語の感動が増幅される。「過去2作もハンカチが必要でしたが、今回はバスタオルもの。歌いながら胸が詰まります」と、涙なしには見られないと強調した。

 「弁当ばかり取り上げられるのも痛しかゆしですが、それで少しでも興味を持っていただければ。内容には、絶大な自信がありますので」。ポップスの女王が才能を詰め込んだ舞台は、弁当をしのぐ味わいだ。来月20日まで。

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