王将戦リーグ、激闘29日開幕 羽生不在で新時代幕開け呼ぶか

[ 2017年9月24日 10:20 ]

久保利明王将
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 将棋のタイトル戦「第67期王将戦」(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)で久保利明王将(42)への挑戦者を決める王将戦挑戦者決定リーグ戦(王将戦リーグ)が29日、開幕する。

 出場棋士は7人。前王将の郷田真隆九段(46)をはじめ、糸谷哲郎八段(28)、豊島将之八段(27)、渡辺明2冠(33)の3人が昨期リーグから残留。深浦康市九段(45)、佐藤天彦名人(29)、斎藤慎太郎七段(24)の3人が予選を勝ち抜いた。深浦は昨期の陥落を乗り越えての連続出場。佐藤と斎藤はリーグ初出場となる。

 例年との最大の違いは、通算獲得12期で永世王将の資格を持つ羽生善治2冠(46)の名前がないことだ。羽生は昨期5位で残留を逃し、今期は1992年以来25年ぶりに2次予選に出場。準決勝で三浦弘之九段(43)に敗れ、90年以来27年ぶりに予選敗退を喫した。

 羽生は91年の王将戦リーグ初出場から、26年連続で王将タイトルを保持するか、王将戦リーグに出場していた。96年2月の7番勝負では谷川浩司九段(55)を4連勝で下し、史上初めて7大タイトルを独占したのはあまりに有名だ。

 王将戦リーグは、タイトル戦予選の中でも特に過酷と言われる。「トップ7人」という少数のリーグ戦は他のタイトルになく、実力のある棋士でも全敗を食らってもおかしくない。さらに7人中3人という陥落率の高さがある。どんな競技でも、出場者の半数近くが陥落するというリーグはほとんどないだろう。羽生はそこに26年も君臨し続けたのだから、まさに驚異といえる。

 タイトル未獲得の豊島と斎藤を含め、誰が挑戦者になっても不思議ではない。王将戦リーグの顔ともいえた羽生の不在が、新たな時代の幕開けを呼ぶことになりそうだ。

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2017年9月24日のニュース